あまりに久しぶりで

喜ぶよりも先に 動揺してしまった


「日本では、彼氏しか私を呼び捨てできないの。」


こう言った日から 私を英語名で呼ばずに

ファーストネームを呼び捨てするようになったね



あなたのイントネーションがあまりにかわいくて

その響きはまるで 私の名前とは違う

何か魔法のように響いて



大好きだった



あなたが私を呼び捨てするたびに

私はあなたの気持ちを汲んでいた



今日 久しぶりにそう呼ばれて

やっぱり魔法のように響いた私の名前は



遠く

遠く


秋の空に。



久しぶりに触れたあなたの手は

私を触っていたときのように緊張していなくて


乾いたその手を

ただ ハイタッチで


嗚呼、あの、私の、大好きな、手



大好きな声




助けて