【表現すること】

 新しい自分、自分の肩書…「表現者」としての第一歩として、新たな気持ちで随想を再開することにした。無理せず不定期で…。旧随想は、2020年から始めて、六十六号を最終号とし、その後特別号を、四号出したから、全部で70の、その時々のあるがままの想いを書いたことになる。表題の『表現すること』、その最終行先は、こころのツボ(急所・弱点)、次の二点に集約される。一つ目は、多様性をもった自分づくり、二つ目は、完璧という執着からの脱出。悪しき心配執着、こころのブラックホールの特異点が、完璧を求める執着にあったことに気づいた。

 気づきといえば、これは、以前からそう思っていることなのだが、「映画」のワンシーンや、セリフのひとことにハットさせられ、全体的な感想というより、そのことによって、その「映画」に「いいね」をつけ、ウォッチリストに登録して、何度も繰り返しみるということによって、今まで気づかなかった自分にないもの、を知らされたことが多いような気がする。最近は日本映画にはまっている。「いいね」映画を羅列すると、「あん」「湯を沸かすほどの熱い愛」「市子」「ラーゲリより愛をこめて」「世の中にたえて桜のなかりせば」「ブルージャイアント」「お帰り寅さん」「耳をすませば」「水は海に向かって流れる」「梅切らぬ馬鹿」…かな。特に、「あん」の樹木希林のセリフ…「時給400円でも、働かせてほしい」…は、自分のアルバイト生活の、今でも、拠り所になっている。「耳をすませば」の、往年の二枚目俳優、近藤正臣(おじいさん役)や、「梅切らぬ馬鹿」の加賀まりこ(お母さん役)が、いい味出していること、とにかく、懐かしい…。新しく随想を始めようとの挑み…多様性のこと、や、完璧という執着、は…実は、この「梅切らぬ馬鹿」から、気づいたことで…。

 敬愛する岡田茂吉師のこと…著書「岡田茂吉の世界」栗田勇氏は語るの「自然」を読んで…「人間が物を食するというのは、やはりすべての宗教の原点にある」「古代から、食するということは、他の世界を自分の血肉化して、自分の生命とし人間と人間を取り巻く世界の接点としてきわめて重要な意味を持っていたのです。文明社会でも、原始社会でも食事をともにするということは、もっとも大切な儀式でした」という、栗田氏の言葉をチョイスした。食と宗教の関係性、食事は儀式、ということは、今まで考えてもいなかった…改めて…「MOA自然食運動」の価値を、自らの過ちというか考えなおす必要を感じた。それと、岡田茂吉師の思想性は、すべてが「他力」と思っていたが、それは、大変な勘違いであって、「他力」と「自力」がミックスされて、まさにそれがほどよく調和された思想哲学である、と、確信に至った。

 ユーチューブ・フォークソング配信も、31本まで進んだ。三冊目の、自費出版も決まった。我が美意識は、柳宗悦と岡本太郎を混ぜ合わせていこう…イッポ、24歳…これから人生100年に向かって、すべてはこれから…である。

 

2024年5月19日

 

【本質】

 6月2日、戯曲「巡礼の道~最後の一歩」を、校了する、とのメールを送った。出版社から、電子書籍は、2週間前後、紙本は4週間前後、で、完成するとの返信があった。完璧を求めてしまう性向は、今だ、残っている。なので、誤字脱字など、不安は尽きない、けれど、もうこれ以上、心配しても、それは、執着…徒労以外のないものでもない。ユーチューブで自作フォーク「徒労」を聞いて、ラストに繰り返す言葉、「漫然と…シンプルに…漫然と…シンプルに」…を、口ずさみながら、自分の心に言い聞かせた。それはそれとしても、まぁ、愚作完成が楽しみである。この本の中で、最もこだわったことは、「ひな型観」に立脚した〈J〉の大衆化、である。新しい文明創造の先駆的、核心的なわざ(ジューク小論文集・霊層界より)を、すべての人が、「ただ、手をかざす」という行為を実践することで、すべての人の「魂の改造」が進み…「利他愛のこころを育み…社会にやすらぎをちりばめる」ことが、できる、と。これが、〈J〉の『本質』中の『本質』、核である、ことを、確信する。〈J〉を受けると、確かに、体が楽になり、こころが癒される。でも、それは、二義的、病気なおしと、誤解される要因、現代医療への問題意識は、単なる、単なる、入口、導入部、であろう、と、思う。それを求める人がいる限り、それも、必要である、とは、思うけれど…否定するものでは、決してない…つまり「多様性」である。「ひな型観」である。再び、自作フォーク「カノン」を思い出す。戯曲では、「霊浴」と表現した。霊的欲望とは、霊に浴する、ことだと…自分の創作言語である。そして、自作フォーク「明日に向かって」の中で、繰り返される言葉…「明日に向かって、やさしく祈る」…自作フォーク「ごらくどうらく」が、その「祈り」で、これも創作言語である。娯楽の「娯」は、同じ楽しさでも、悲しみを和らげる、という意味がある、らしい。この歌の、背景は、名勝・神仙郷…観山亭と箱根美術館、そして石楽園、である。戯曲の、カバーデザインにもこの写真を使った。「明日に向かって」の背景は、同じく…神山荘、である。「カノン」「明日に向かって」「ごらくどうらく」…この歌は、〈J〉の大衆化、への、三点セットである。

 

 映画「月の満ち欠け」が、プライム配信された。新たな出会いである。原作も取り寄せた。「子供は母を選んで生まれてくる」、というニュアンスの表現が、特に、印象に残った。でも、原作者の主題は、何か、違うような…さらに深いところにあるような気がする。なので、その主たる感想は、後回しにする。

同時期、映画「千夜、一夜」とも出会った。主演の田中裕子の、程々の暗さというか、魅力が、印象的、だった。でも、一番の感想は、登場人物の、二人の男(洋司、春男)、そして、30年も行方不明の男(登美子の夫)、この三人の男たちが、自分自身に繋がった。すべて、この中に表現されている実態は、まさに、自分自身の中にあると。一歩間違えれば、この実態は、自分も体験させられていたような…自分を見せられているような、『本質』を突き付けられているようなこころ持ちになった。

 

2024年6月9日

 

【多様性】

 『多様性』ということがテーマの番組と出会った。NHKEテレ金曜夜の「超多様性トークショー」である。録画してあるものの、今までは避けていた番組だったのだけれど、今回は、なぜか、ふと、みたくなって…見せられた感(いつもの)…そこから、今の自分にとって、大きな学びを、得た。Xジェンダー(男になったり女になったりの人らしい)の戸籍上は男の人と、戸籍上は女のバイセクシュアル(性的に男としての感情をもつ人)のなれそめの話で…戸籍上は男と女なので、世間の眼も感じながら結婚したわけだけれど、今までいろいろなことがあって、その振り返りの中で…特に、なるほど、と、思った発言…①相手を、自分のカタチに押し付けないこと。②心で思ったことでも、言葉に出さないほうがいいことがあること。…この二点は、我が心に、グサット刺さったぁ…自分の過去を振り返っても、直近でさえも、相手を自分のカタチにはめ込もうとしたり、言わなくてもいいことを発言してしまって、相手を傷つけたり…このことって、個人だけじゃなく、そのまま世界にもあてはまることではないかと、これがまさしく実現すれば、世界の争いなんて、難民なんて、貧困なんて、格差なんて、すぐ、無くなってしまうような気さえした。これぞ、「相互承認」…『多様性』をみにつける、ということの目的、行先は、これだ、と思った。これからも、この番組はみよう…。それにしても、避けて通りたい人がいること、や、腫れ物に触るような人には要注意、なんていう、自分のこころは、変わらないかも…。

 

 日曜日のサンデーモーニング、今年の三月に、関口宏がやめて、もう、引退かなって、思っていたら、新たに、彼が司会する番組が始まった…さすがぁ…「関口宏のこの先どうなる!?」である。毎回…おもしろくて、おもしろくて…うなずきながら、うなずきながら…。直近は、「ニッポンの宇宙開発」がテーマで…新しい言葉との出会い…「マグニフィセント7」…マイクロソフト、アップル、グーグル、アマゾン、エヌビディア、フェイスブック、テスラ…この七社を、映画「荒野の七人」になぞらえてつくった言葉…らしい。ふと、昭和28年1月1日発行の、岡田茂吉師の「アメリカを救う」という著書を思い出す。いわゆる〈J〉のおかげ話集で…その結論の中に『要するに人間は健康で、休みなく働けるよう神が造られたものであって、これこそ不滅の真理である』とあり、その結論に至る経緯として「現代医学」に対する危惧、とんでもない問題点として「薬毒論」が展開されている。自分は、今、抱えている病気症状を、結構長い間、現代医療に依存している。でも、そのことによって、生活のための資金や一時の安心を得ることができていることも、事実。だから、この現代医療への依存は、これからも、変わらないと思う。最近は、足の衰えや、日々の疲労感が増して(老化だとは想うのだが)、疲労回復と表示のあるドリンクや、機能性食品を、定期的に通販してみようなんてことも、考えている。つまり、敬愛する岡田茂吉師の考え方に、この部分では、まったく逆らっているわけ。でも、でも…当時の、「アメリカを救う」というおかげ話には、読むたび、感動の涙…なのは、何故だろう。そのなぜ、を知るために…ふと、新しい挑みを、思い立った。「シンアメリカヲスクウ考」という、現代版というか、今という時に大衆にフィットするような、事例集を、つくろう…これから、若い人たちとの出会いをつくりながら…。それができたら、きっと、MOAが、アメリカの「荒野の七人」の、霊的存在になるかもしれない、なんて、大きなことも想ってしまうのは、悪しき性向かもしれないけれど…関口さんの番組にレギュラー出演している、未来予想家の川口盛之助さんが、番組で、何気なく発言した…「お金だけじゃなく、ちょっと、無視できない存在」…という言葉に、MOAが、上書きされていった。「超宗教」という表現も、最近特に、違和感を覚えてきた…「超〇〇」という、言語も創作してみよう、なんて…おもっている、昨今です。

 

2024年6月19日