カップルが心霊スポットを探訪する話はよく聞きます。
いま、これを読んでいるあなたにも経験があるのではないでしょか???
これから紹介する心霊スポットは、
もう十数年も営業していないラブホテルです。

十数年も解体されずにいる、というのは
それだけ何だかの存在が巣くっているのかもしれません。
今回、ここを訪れる事になったひと組のカップル。
彼らの運命はどうなるのでしょう?……
みなさん、私と一緒に彼らを追ってみましょう。

(制作集団 真美漢 代表:真美漢)   



私のお尻にある黒子がどうのこうのいう問題じゃない。
それが比較的、菊門近くにあるからというワケでもない。

黒子を見つけてくれた彼が、
急に心霊スポットに行こうと言いだした。
場所は、私も知っている。
そう、心霊に興味の無い私が知っているぐらいだから、
そこはホントに有名な場所だ。

もう10年以上も前に潰れたラブホテル。
そこに、女性の霊が出るらしい。
彼の友人の知人の知人が以前、
そのラブホテルを探索した時にその女性の霊を目撃したらしく、
そのせいで気がふれてしまったらしい。

って、言う事は……ガチで恐ろしい場所なんじゃない!?
今まで、幽霊は勿論、金縛りにもなったことのない私ですら、
もしかしたら見ちゃうかも???
でも、気がふれたらどうしよう???

そんな心配をよそに、彼はハンドルを握っている。
鼻歌交じりだ。
彼は怖くないのだろうか???

「もうすぐだよ」

彼が鼻歌を止めて、真面目な顔で呟くように言った。
私の体に緊張が走る。

見渡せばラブホテル街。
この一番奥まったところに件のラブホテルが建っている。
私は、手に汗を握っていた。
彼には持って来るなと言われたお守りをギュっと握った。

「やべぇな感じて来たよ」

少なくても、彼は私より霊感がある。
たまに、「あ、あんなとこに人が立ってるなぁ」と、
絶対的に人が立てないような場所を指さす。
何を感じているか……それを聞く勇気は私にはない。

「駄目だ、我慢できないっ!!!」

彼はそう叫ぶとハンドルをきった。
と、手前のきらびやかな営業中のラブホテルに入った。

 

 

 

 

 

 

「今夜はここで一発、
いや、一泊だぁああああっっっ!!!」
「何発でもいいわよぉおおおっっっ!!!」