三年前、箱根登山鉄道のモハ110が嘗ての市内線カラーに復刻され、受験に追われつつも空いた時間に二、三回撮影に向かうことができた。その内彼岸花とのカットをNikomatに人生初のproviaを詰めて撮影。その後、当時ハマっていた築地市場の撮影にも同機材を持っていき、そこでこのフィルムは巻き戻されて現像に出される…筈だった。
知らぬ間にリワインドボタンが元の位置に戻り、かなり焦りながら巻いていたフィルムはバリバリと音を立てて破断。その日は食事も喉を通らないほど悔しかったのを覚えている。
しかし今夏、車両こそ違えどヤツが帰ってきた。モハ2同士の組み合わせには劣るが、このチャンスを逃すわけにはいかない!高い特急料金を払ってこの一枚の為に箱根へやってきた。
大平台から徒歩数分。数は少ないが咲いたばかりの彼岸花を眺めながら列車の通過を待つ。二度もチャンスを与えてくれた箱根登山鉄道には感謝しかない
帰り道、吊り掛けの音の聞こえない箱根は非常に寂しいものであるが、モハ109と組んだ三色団子に戻ったらまた撮りに行きたいものである。紅葉シーズンまでには是非とも戻っていただきたいのであるが…果たして