同時に購入したマイクロニッコール55mm f3.5で1枚。噂通りの高画質で、現代の下手なズームよりは断然良い描写をしてくれる。今回は敢えて汚い日本光学銘のものよりも綺麗な純正Ai改造品を選んだ。綺麗に越したことは無いからね、、、これでもオークションの相場よりは結構下。
有名なレビュワー兼カメラマンであるKen Rockwell氏も「最もコンパクトな300mm単焦点」と評価したこのレンズ、AF NIKKOR 300mm f4 ED。嘗ての300mm f4.5の進化系であり、俗称はサンヨン。サンニッパなんて買えるわけねぇだろ!という我々のようなカメラマンに対する救済措置的な存在である。Nikonからはつい最近まで旧式のAi AF版のみが販売されていて、十数年を経て漸く最新のレンズにリニューアルされた。今回のブツは、そのご先祖様にあたる存在?だそうだ。販売期間の短さ故か、ネットで調べてもあまりヒットしない。
1980年代からはAFの時代となり、キッカケを作ったMINOLTAのαシリーズに加え、Canon等の巨大メーカー達がこぞって開発を本格化させ、その代償として、それまで大切に守り続けてきた「マウント」を捨ててしまうという悲劇が起きてしまった。
困惑した他メーカーに対し、Nikonは旧式のマウントでもAFに対応出来るよう開発を進め、遂にそれを実現させた。その頃のツルツルプラスチック外装のレンズと差をつける為か、80-200/2.8や180/2.8、そしてこのサンヨンといった高級レンズ達の外装をザラつきのあるものに変更した。この外装は見栄えも良く、自分がNikonから離れなかった理由の一つとも言える。
しかし一万円のブロニカとかベビーローライとかMINOLTAのパンケーキ45mmとかNikonの50mm f1.2とか…逃した魚もかなり大きかった。来年こそは…(?)
このレンズをレジに持っていくと店員がAFのチェックをして下さり、しっかり動くことも判明。300mm f4.5ならもう少し安かったものの、どうせ買うならとこちらを選択。マイクロニッコール共々袋の中に詰め込み、スキップで店を後にした。さらばよ、お年玉。さらばよ、EMの修理代。
ところで家に帰ってから調べてみると、どうやらレンズ内部に39mm径のフィルターが取り付けられるらしい。その部分を外してみる(線の入った謎のボタンを押し、そのまま線が横になるように捻り、引き上げる)と…おや?カビが。アルコールで拭いたら直ぐに撮れたので元に戻し、もう一度レンズを覗いてみると…殆どカビが消えている。こいつはありがたい
で、試写。
D7000に取り付けるとM、A、S、P全てにエラー表示が出てしまう。この時代のレンズはいつもそうで、フルオートモードにしないとピクリとも動いてくれない。何故かAFポイントも選べないという?MFを使うにはカメラのマウント側のレバーで切り替える。レンズの切り替えスイッチは意味を成さないので要注意。
流石にf4とあってピント面は非常に薄いものの、鉄道のような被写体だとボケは思ったほど大きく出ない。サンヨンなんてこんなもんかぁ、と溜息が出る。写真は偶々来た誤幕、直す作業が気になるのか運転士も脇見運転…ではなく、停止信号で止まってるだけ。クレーマーの皆様、ご安心ください。