大渡 海
埴原 優希
元井 祐樹
井之原 彩華
相河 萌
神田 怜亜
向井 リアン



「くそ馬!!大人しくしろ!!」
「ご、ごめん!!」
「いや、萌さんに言ってるんじゃ・・・っと動くな馬!!」
「私がうまく操作できないから・・・っと危ない!」
「萌さんは今できることをやって!」
「え・・・私にできること・・・」

私にできること・・・?
そんなの・・・ないよ
私は昔から何もできない。力がない。いいところがないバカな奴だよ。

私の昔・・・思い出したくない。あんな私
暴走していたあの頃なんて・・・

萌は生まれて間もないころ、道の端っこに捨てられた。
一週間もたたないで、裕福な家に拾われ、それなりに幸せに生活していた。
ある日、萌は自分がこの家の本当の家族じゃないと知った。
それ以来、萌はその家の人たちとの接触を拒むようになった。

そうして一か月くらい萌は部屋で引き籠もるようになり、その期間誰ともしゃべらなかった。
そんな毎日を繰り返しているうちに、萌は一つの疑問を見つけ出した。
なぜ両親は私を捨てたのか。
その疑問を解決しようといろいろなことを考えてみたが、何も出てこずにいた。
そんなある日、無意識につけたテレビでやっていたことが頭に入ってきた。

「自分を捨てた母親を、娘が殺人。」

「・・・そうだ・・・イイコトワカッタ」(片言)

片言(かたこと)なしゃべり方で、萌は部屋を出てキッチンへ向かい、包丁を取り出した。

「私にはまだ力がある・・・だから・・・ふふふ・・・」

包丁片手に家を出て、当てもなく歩いた。
歩いて歩いて歩き続けた。
ある日、夜の都会を歩いていると知らない人に声をかけられ、そのままよく分からないで歌手となった。
仕事でたまったお金で適当に家を買い、適当に生活しながら両親を探して暮らしていた。

そんなある日、いつも通り両親を探していると、いつもは気にならない周りの風景が気になり、近くにある河原に目をやると今にも死にそうな顔をした「子犬」がいた。
正確に言うと、汚れきった人間の子供。
いつもの萌なら無視をするが、この時はその「子犬」に近づいた。

「・・・汚(けが)れた子犬だ」

「子犬」を見下し、冷めた目でにらんだ。
だが、「子犬」は反応を示さない。
死んでしまったのかと少々不安になり、近くにあったコンビニで焼きそばパンを買った。
それを「子犬」に差し出した。
そしたらその「子犬」は嬉しそうににっこりとほほ笑んだ。
その微笑みが萌の世界を変えた。
自分のしたことで喜んでくれる人がいる。自分のやったことはいいことだったのか。
こんな感情初めてだった。

それからは毎日「子犬」に餌をやった。
「子犬」の名前は神田怜亜。萌とは二歳年下。

いつまでも、いつまでも2人で一緒にいたいと思い、怜亜を自分のマネージャーにした。

萌のヤンデレは、引き籠もりのときに発覚したものだった。
この時は怜亜が一番好きな人だった。
だから、怜亜に近づく男を徹底的に排除していった。
それに気づかず、怜亜はのうのうと暮らして、萌を歌をほめていた。

「萌さん、ほんとに歌が上手なんですね!」

・・・あれ
私のいいところ・・・
私のいいところは・・・歌
なんだ・・・なにこれ・・・私って・・・いいところあったんだ・・・
今なら、よく分かんないけど思いっきり歌えそうだ
・・・歌おう。今までの感謝の気持ちを込めて。
海さん・・・
あれ?なんで海さん・・・?
まあ、いいか

「よし!」
「ん?どうした?」
「・・・いっくよー!!」

((如月アテンション二番のみ))

こんなんじゃもういけないね 歓声が聞こえてるでしょ 夢見てた風景に気づいたらもう出会っていて 散々なら変えたいな 一人じゃないよ さぁかっこつけないような言葉で あぁなんだかいけそうだ 心臓が弾けちゃうほど溢れ出しそうなので 奪っちゃうよ 奪っちゃうよ 伝えたいこと詰め込んだ そんな夢から もう目を離さないで さぁさぁ明日もスキップで進もう

「・・・マジか」

萌の歌のせいか、よく分からないが一斉に馬たちが大人しくなった。