薄暗い部屋の中、一人の少女がいた
『ヤダ・・・助けて・・・』
『ここから出して・・・お願い・・・』
『お父さん・・・お母さん・・・』
『ここから・・・ここから出してよ!!』
『僕を助けて!!』
ハッ
カミネは、ひとつのベッドの上で寝ていた。
「・・・・・・お父さん・・・お母さん・・・」
カミネの目には、涙が出ていた。
「あ・・・お、起きた・・・?」
白くてもこもこした物体がそこに立っていた。
手にはぞうきんが握られていて、それを僕の額に乗せようとしていた。
「・・・・・・お前は・・・確か、マリー・・・だった?」
マリー「え・・・あ、うん」
ソラ「あ、カミネさん、起きたんですね」
マリー「あ、わ、私・・・皆呼んでくるねっ」
ソラ「ありがとう、マリーさん(にこ」
「・・・・・・僕、なんでここに・・・」
ソラ「地面で倒れていたのを友理奈さんが連れてきてくれたんですよ。覚えてませんか?」
「・・・・・・おぼえて・・・ない・・・」
ソラ「こんなところで私の能力が役に立つなんて・・・」
「・・・・・・あなたの能力は?」
ソラ「目を治すです♪体のけがはもちろん、心のけがも治せる能力ですよ」
「・・・・・・いい能力だね。それに比べて、僕は・・・」
ソラ「いえ、カミネさんの能力はいざというとき皆を守れるじゃないですか。だけど、私は・・・」
水に浸されたタオルを力強くギュっと絞り、悲しそうな目で地面を見つめる。
「・・・・・・僕の能力は、そんないいものじゃないよ」
ソラ「え?」
「・・・・・・目を消す・・・って皆はいうけど、僕はまだこの能力を操れてない」
ソラ「そうなんですか?」
コクっと首を縦に振る
「・・・・・・だから・・・僕は、逆に大切な人を傷つけたりしちゃうから・・・」
ソラ「・・・」
「・・・・・・僕は、感情が高ぶると能力が暴走しちゃうんだ・・・だから、こうやって感情が出ないようにしてる」
ソラ「でも・・・でも、きっと、カミネさんが・・・皆が笑顔でいられる世界になりますよ!」
両手の拳を握りしめ、ガッツポーズをしながらニカッと楽しそうに笑うソラ。
「・・・・・・だと、いいね」
カミネは、相変わらず無表情のままだが、少し嬉しそうにしていた。
『そんな世界、来るはずもない』
『だって、お前は家族を―――んだから』
「・・・・・・でも、そんな世界は来ないよ」
ソラ「え・・・?」
「・・・・・・」
世の中には、過去に縛られ、それにしがみつくしか生きていけない人がいる。
カミネもそのうちの一人。
過去にしがみつき、今を生きようとしない。
過去のために今がある、といっても他言ではない。
脳内にあるカミネの過去がカミネを縛り付け、生き地獄を味わわせている。
「・・・・・・僕は、そんな未来いらない」
______
次は、カミネの過去第2弾!!
前回のカミネの過去は、彼氏の死、能力発動
といった感じでしたが、次回はまた違う感じですw