恵多「かあ・・・さん・・・?」

俺は・・・見てしまった。見てはいけないものを、その時に。

床にはとおさんがぐったりとした表情で転がっていた。
その前にかあさんが血がべっとりとついた包丁を両手で持っていた。
かあさんの手は震えていた。
手だけではない。体全体がガタガタと震えていた。

カランッ

包丁を落とした。
床にも血が散らばっていた。

母「あ・・・あ・・・ヤダ・・・あたし・・・何を・・・?」

恵多「とおさん・・・とおさん!とおさん!とおさん!とおさん!」

母「違う・・・違うのよ!あたしは・・・あたしは何も・・・」

恵多「かあさん・・・とおさんが・・・とおさんが!」

俺は必死になって父親の体をゆすった。
自分の手には父親の血がべっとりとついた。
そのことも気にせず、俺は目を開けない父親の体をゆすった。

母「あ、あなたが殺したの・・・?恵多、あなたが・・・あなたがおとうさんを殺したの・・・?」

恵多「え・・・違うよ!僕そんなことやってない!やったのは・・・やったのは・・・かあさ
母「黙りなさい!!!」
母「うるさい五月蝿いウルサイ!!!口を閉じなさい!!」

母は、俺にさっき落とした包丁を構えた。
両手でしっかりと包丁を握っていた。
俺の目にはすでに涙があふれんばかりにこぼれていた。
そして、母の目にも

母は泣きながら、血まみれの顔で、俺の顔を包丁を構えて見ていた。
こんな母は、見たことがなかった。

恵多「・・・かあ・・・さん・・・?」

母「もう・・・もういやよこんなの!だから・・・ダカラ・・・イッショニイキマショ?」

母の目から涙は消えていた。その代り、狂っていた。
母はこれまでにない殺気・・・というより、解放感が漂っていた。

恵多「や、ヤダ!・・・かあさん・・・怖い・・・」

怯えた表情で母を見つめる。
・・・だが、母は俺に向けて包丁を振りかざしてきた。

グサッ

包丁が床に刺さった。
それから俺は必死になって逃げまわった。
母がニタニタ笑ながら俺を殺しにやってくる。
こんな恐怖は中々味わえないだろう。

グサッ…グサッ…グサッ…

壁や置物に、包丁を刺しながら歩いてくる。

怖い怖い怖い怖い!!
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!

俺は泣きながら、いや、涙を拭きながら階段を駆け上った。
後のことも考えずに

グサッ…




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グロイなw