<そして、日常へ>

「え、えーと・・・と、とりあえず、私、どうしましょう・・・」

「・・・。」

彩は、何か考え事をしているようで、さっきからずっと黙っている。

時々、狼の耳とかしっぽが飛び出るが、それは別のことに意識を集中させているからだ、と本人はいっている。

「することないの?それならうちらと一緒に暮らそうよ!」

「・・・は!?」「・・・え?」

梓もアレンも驚きで固まってしまった。

彩はいまだに考え事をしている。

「え?ダメだった?」

「ダメとかの問題じゃないでしょ!?」

「え・・・あ・・・はい。たぶん、大丈夫です」

「ええ!?大丈夫なの!?」

「ひっ!・・・は、はい・・・」

「ああ!ご、ごめん!」

「え、あ、いや・・・大丈夫です」

「じゃあ!かえろっか。手続きとかは、うちの家でなんとかしとくから、ね?学校とかも行こうよ!面白そうだし!」

「・・・?学校、ですか?」「それはダメでしょ!?」

「そう!学校!そっちの世界にはないの?」

「いちよう・・・ありますけど・・・でも、必ずではなかったので・・・私は行ってません・・・」

「なら行こう!」

「ならじゃないでしょ!?」

「え・・・よ、よろしいのですか・・・?」

「うん!」

「ちょっと!聞いてるの!?」

梓の言葉なんて聞く耳を持たずに、そのままアレンを連れてそれぞれの家に帰って行った。

「少しだけなら・・・いいよね(ボソッ」

最後に一言、アレンがつぶやいた言葉は誰の耳にも届かなかった。