学校に行く途中、よくこの道を通った。

昔、俺がまだ小学生だった頃だろうか…。

その時はまだこの花の方が背が高くて、ムカついて花を見る事を避けていたりした。
今思うと、本当ガキだ。

それから何年が立ったかは分からないが、俺の方が背が高くなった。

その花は俺を見上げ、白色の綺麗な花を一つ一つ揺らしている。

「こんな小さい花だったんだ」

俺がポツリと呟いた時、風が花達を揺らす。

白い花びらがひらひらと舞い降りる。

「あっ、時が過ぎている。」

花がただ、風に当たり舞い降りているだけなのにそう感じた。

何年前かのこの景色と今は同じ景色だと思われる。

その中でも僕が見ている景色は昔とは違う。

それが、時が過ぎたと…実感することができる一つでもあった。

この花の前に一つのキーホルダーがあった。サッカーボールがチャーンにぶら下がっていて薄汚れている。

「…ここにあったんだ。」

このキーホルダーを優しく拾い上げるように手に持ち、小さなボールを撫でる。

自分の親指とそんなに大きさが変わらないのではないかと思ってしまう。

それほど、大きく感じて来た小さなサッカーボールはとても小さく昔の自分が小さかったのだと証明をした。

俺は、手のひらにのけていた小さなサッカーボールを花の前におくことにした。

本当は家に持って帰りたいが、きっとこのキーホルダーはここの方が居心地良い。何故かそう思った。

キーホルダーを花の前におい時、小さなサッカーボールが地面を転がり木の根の穴に落ちてしまった。

チャリン。

と小さな音を立てて。

その木の姿は俺には、見覚えはなかった。