俺は、今、もしかしたらテニスよりも夢中になってしまった事がある。
…別にだからってテニスに集中でしてねぇとか、そう言う本末転倒的な話ではなくて……。
何かと見てしまうんだ。
__あの人の事。
_____同級生の彼女のこと…。

彼女は今年から同じクラスになった学級委員の面倒にも良くて、勉強もできてる方で、物静かで、俺とは何もかもが反対な感じの奴。
最初はただしっかり者だとか、まぁ、美人と言うか、可愛いな、的な感じで見てたけど、一ヶ月くらい前のでき事から、彼女から目が離せなくなってしまった。

こんな気持ちになる俺は変なのか?
まだ誰にも相談していないから分からない。
どうしたらいいのかも知らないし、分からない。
彼女ともあまり話した事が無い。共通の話もない。
だから彼女を遠目から見る事しか出来ない自分が乙女みたいで嫌いだ。

一ヶ月前、何があったかというと、たわいもないことだが、彼女が僕に話しかけて来た。
文化祭の係りで同じだったから相談された。
いつもテキパキと動いている彼女だったから人に相談、それも俺に相談するとは思わなくて驚いた。
ここまでは、いいのだか、これ以上に驚いたのは彼女の性格だった。
今までしっかり者と見ていた彼女は実はおどおどしく、頼りなさそうなか細くて可愛い声で俺に話しかけて来た。

正直、その声と態度で……好きになってしまったのかもしれない。

こんなことを誰かに言ったら絶対笑われる。
だから誰にもいわねぇけど……それから彼女のことを気になり始めてしまった。

乙女みたいなこんな自分を変えたいと思うけれど、自分の性格は簡単に変えられずこうやってもじもじと何かをしている。

男らしく彼女に告白でもできればいい。

__けど、振られたら?
そう考えるととても怖くて告白なんか出来ない。

話したことなんて一言くらいの俺が、彼女に告白したところできっと迷惑をかけるだけだと思うから。

自分のこの思考に腹がってくる。

どうすればいいのか__。



俺がボート空を見ていると肩に手を乗せられた。
優しくて俺を恐れているのか軽くだけど。
「えっと…いい?」
彼女だった。
あぁ、何でこんなにも可愛いと思ってしまう。
話す言葉を探している姿も、立っている姿でさえ可愛いと思ってしまう。
可愛い…多分、これが好きだとか、愛しいとか、そう言うこと。
彼女のどうしようと悩んでる姿を見るたびにまた思ってしまう。
あぁ…ほんとに………
「…好きだ。」
「え?」
彼女は持っていた紙に送っていた視線を俺に向けた。
自分が何を言ったのか理解するのに時間がかかる。

わかった途端に顔が赤くなるのを感じた。
「いえ、さっきのはだな…その!違うんだ!!けっしてお前のことでは……」
何自分で掘り下げてるんだ!!俺は!
「…」
彼女が黙り込んでしまった!!
何せっかく話しかけてくれたのに俺が黙らせてるんだよ!!
俺のバカが!!
「…あのね。」
彼女が耳元に顔を近づけた。
近い、近い…!!
「私も好きだよ。」
「はぃ?」
彼女の言葉に理解が出来ない。
耳元で囁かれた声のあとがくすぐったくて暑くて、どうしようもなく熱だけがこもっている。
彼女は元の姿勢に戻り俺に笑いかけた。
「これからよろしくね。」
彼女は人差し指を口元にあててまた可愛く笑う。
最後は気恥ずかしそうに笑顔を作った。

可愛すぎる。

……顔が赤くなるのを感じてながらも彼女を見てしまう。
「本当の私、知りたい?」
冗談かも分からない言葉を投げかけられる。
…もしかして、彼女は……俺以上に男前で、俺が見ていた想像的な彼女ではないかもしれない。

それでも……
「あぁ。」
「良かった。」
彼女がまた笑う。
この仕草にもときめいてしまう。

俺は、彼女にまんまと引っ掛かったのだろうか。

これからきっと知らない彼女のことを知ることになりそうだ。

そしてきっと___どんな彼女の本性を聞いても俺は…もっと好きで、愛してしまうかもしれない。



「では放課後でのお楽しみ♪」
彼女は俺にとっては無敵の笑顔で言った。

俺は彼女が自分の席に戻ってから髪をくしゃくしゃにした後、机に上半身を倒れこむ。

「……反則だ」

__次からの授業は全然頭に入らなかった。