__昔、優しかった男の子。

私にはその印象しかない。
けど、忘れられないでいる。
なんで…?
その男の子を気にしない日々はないほどに。

学校の帰りのバスで、君が乗っていた。
身体中が暑くなるのを感じて、目をそらしそうになる。
けど、君がぺこりってお辞儀をしてくれて、とても嬉しくて、私は友達に気づかれないように小さくお辞儀をした。
……君は気づいてくれてたかな?
それから、席に座って、流れる景色を見る不利なんかして君のことばかり考えてて…もしかしたら私の顔…にやけてたりしてたかな?
君に会えたことが、君が憶えてくれてたことがとても、とても嬉しかったの。

その時は私と君以外、誰もここで降りる人がいなくて二人っきりだった。
バスから降りて友達に手を降って少し離れた所にいる君をみたの。
そしたら君は優しく微笑んで
「こんにちは。」
て、言ってくれたの。
嬉しのに、驚きが増してて「こんにちは。」ってすぐには言えなかった。
「こ、こんにちは。」
やっと出た言葉にも君は微笑んでくれた。
「久しぶりだね。部活はなにやってるの?」
君が普通に、同級生とか、低学年とか、そう言う子に話しかける感じで気さくに話しかけてくれた。
嬉しかった。
嬉しいの言葉しかでなくて困るくらいに。
「水泳部です。」
「そっかー、水泳か…。」
水泳は小さい頃からやってたから、流れ的にその部活に入った。
ただ、それだけ。
近くにある学校、今通っている学校の部活に丁度水泳部があったから入っただけだよ。
それを君に伝えたくても言葉は出ない。
それに、君は君はテニス部だよね?
だから、少し遠い学校に通ってるって誰からかに聴いたよ。
それに…小さい頃からやってたのを知ってるから。
私が、テニス部に入ってたら、共通点を…作れたのかな…?
「練習辛い?」
「そう…ですね。」
話が、言葉が続かない。
「敬語、使わなくていいよ。昔みたいに。」
君が言ってくれた一言。
君の顔をみて、さらに思った。
昔みたいに…昔、私達はどんな会話をしてたっけ……?
私達は何をしてたの…?
話してたの……?
頭が真っ白になる。
「うん。」
それだけしか伝えることしか出来なかった。
「こっちだよね。…じゃあね。」
あちこちに広がる道路、分岐点。
君があっちで、渡しはこっちの道。
「…じゃあね。」
君が手を降ってくれた。
でも私は手を降らないでお辞儀をした。
今は、もう、先輩と後輩の関係。
それに違う学校に通っている生徒。
君は私のことを気にかけてくれて話しかけてくれたのかな?
……私の家、憶えててくれてたのかな?
もしかしてまだ、話せたりできたのかな?私が寄り道をして、嘘をつけば良かった…。
そんなことを考えるのはいけないことですか…?

自惚れた考えが私を幸せの気持ちにしてくれた。

それからバスで会うと話せるかもしれないと期待を持ったけど、自分から話しかけることは出来なくて、結局お辞儀だけで終わる日やしないで終わる日。
それになかなか会えないわけで、会えなくなった。


___自分からしてないくせに思うんだ。



……私のこと、忘れたのかな。


って____。