このブログを読んでいる方はご存じの方も多いと思いますが、

 

 JR東日本の SL銀河 牽引機 C58型 239号機 が車籍を有し、処遇保留状態で早半年以上が過ぎていることを

 

 まず、私なりの結論を申せば 解体は免れる という事。

 

 理由として以下の3つを提唱します。

 

 

 1つ、 引退の理由についてC58については触れられていないこと。

 

 今回同じく今後の動向を予想するうえで多くの人がキーとして、希望をもっている理由として一番大きいともいえる内容でもある。

 引退の理由は仙人峠(足ヶ瀬~陸中大橋 間)の勾配を超えるべく補機として使用していた客車 (気動車)の キハ141-700 が老朽化と言うもの。(正確には車検切れと推測、後術)  種車が北海道の車両であるために雪も多く過酷な環境で使用されただけでなく、各種部品は中古品であったことなどから 復活当時から予想はできたことである。

 ただ、九州のSL人吉とは違いSLは無傷と言っているようなもので、言ってしまえば客車があればまだ走れます。という事である。

 

 

 2つ、 ATS-ps 等の装備により山形/秋田新幹線の標準軌区間を除けばJR東日本の在来線は基本どこでも走れるようにATS等を装備したこと。

 

 これは出張運転(D51498やC6120などがよく行っている)に対応するためだと思われるが、すなわち今現在SLを運行している高崎、新津 に転属した場合、ほかの保存機よりもパワー等は劣る物の補機を付けたり客車を減らせばすぐにでも運行可能という事である。また普段SLの走らない路線でも可。

 なお、元東北本線であるIGE線と青い森鉄道線の走行実績もある。

 

 

 3つ、今現在 研修庫ツアーなどで活用していること。

 

 冒頭では 廃車 ではなく 解体 は免れると記述した。 理由としてはこのまま静態保存に移行する可能性はあるかもと言う意味である。

 静態保存にしたとしても 状態のいいSLを間近で見られると言うのはあまりないことで、 盛岡駅や市街地でのイベント時や祝日などに使えること、 研修庫内には部品等のギャラリーもあることからこちらも集客用の目玉として、 真岡鉄道のキューロク館のような施設にすることが可能かもしれない。

 そうなった場合 車籍抹消 すなわち廃車になったとしてもそのまま保存されるのではないか。 と思われる。

 

 

よってC58に至っていくらでも道がある。復活場所や方法にこだわらなければ 例えば新津に行けば SLばんえつ物語のC57180 の予備機と言う役割位はもらえるだろう。

 

 先述したキハ141 だが、基本気動車の全般検査と言うのは法令に従い6年おきに実施される。

 が、今回のキハ141-700の場合冬の期間(例年12~翌3月)までは積雪等もありC58のほうは第一種休車になっていることを確認している。

 

 

 これに従いキハ141も休車にしていた場合 無理やり伸ばせば9年までは伸ばせそうだと予測した。 また、運行終了後すぐに秋田まで廃車回送されたのは 車籍があるうちに本線上の移動を終わらせておくためだったとすれば キハ141の車籍は2023年6月中 程度だったのではないか。 と予測できる。

 

全般検査をするとなると再塗装やオーバーホールなどとても大がかりであのグラデーションや繊細な模様の入った車体の再塗装となると多くの手間と資金が必要になるという事は容易に想像できる。 さらに各種部品の老朽化もあり、交換部品などの費用も多大になることはほぼ確実だろう。

 

そもそもSL銀河は花巻~釜石の場合 運賃と指定席料金の片道2500円程度で乗れてしまう。快速はまゆり(指定席)でも 同区間では2200円程度となり、一回の運行に石炭だけでもかなりの額がかかることから 間違いなく赤字なのである。走ったら走った分だげ赤字で、さらに言えば盛岡~花巻間は回送なので無利益、乗車定員が少ないことから 採算は絶対に取れない 上に検査費用の捻出などほぼ不可能だろう。

 

上記内容から プロパガンダ と通りJR東日本が全力でした復興支援だったのだろう。 釜石市はかなり復興が進んだことから目的は達成し、役目を終えた。

 

ここでファンの間で意見が割れているのが もし復活する場合はどの路線でどのような運行形態になるのか? と言う点である。

 

 例として 引退した SL銀河 の場合は 

 (土) 朝 盛岡の車庫、車両センターで給油や整備を済ませ、 盛岡駅で連結の後 客車であるキハ141がけん引する形で花巻駅に入線、 その後客扱いをして出発、昼頃遠野で給水等をして夕刻前ごろ釜石に到着

 (日)朝 に釜石駅で各種準備を整えた両車が連結の後出発、 同じく遠野で給水等を済ませ 夕刻前に花巻駅に到着客扱いの後 キハ141が牽引する形で盛岡駅に夕方(ほぼ夜)に到着。 盛岡駅で解結の後キハ141は車両センターへ C58は研修庫にてメンテナンス等の後来週に向けて眠りにつく。 

 

と言う感じであった。 釜石線の途中、仙人峠 越えが原因で客車 ではなく 気動車 を使わざる負えないわけだが、

 

 復活の際、釜石線以外で復活したらどうだろうか? 

 

 現状 他路線で有力なのは東北本線 盛岡~一ノ関 間である。 まずこの区間は試運転の際に使われていたと言うものがある。 一ノ関には転車台があるためC58の方向転換が可能なのだ。

 またこの区間は勾配が比較的緩やかで、動力を持たない純粋な客車であってもC58のみで牽引が可能だろう。よって客車の捻出(復活)や気動車よりは安価な客車の製造で可能。 またこの区間には 平泉駅があり、世界遺産である 中尊寺金色堂 の最寄り駅である。ここへの観光客誘致、盛岡~平泉間のSL列車等の運行と言う意味で、ある一定の意味を持たせての復活となる。

 

 釜石線での復活の場合は 

 1、無動力の客車を使った場合、  

 盛岡車両センターにはDE10型が所属しているほかJR東日本やJR貨物などから機関車を盛岡に持ってくることで補機を連結する方法。

 

 2、キハ141同様 エンジン付きの車両を新造or改造 で製作する方法。

 現にキハ110を改造するのはどうかと言う案が出されたそうだが、

 

 仮にキハ110を改造し キハ110-700番台を製造することとしよう。

 

 問題点は主に5つ

 

 1つ 単純に連結器が異なる。

 

 C58には自動連結器が、 キハ141には自動連結器と互換性のある密着自動連結器が装備されていたが、 キハ110では互換性のない 密着連結器が装備されている。 一応この連結器間のアダプターは存在する物の、これは移動や非常時用で常用ではない。

別に簡単に改造できることだが、次の2 の問題が残る。

 

 2つ ブレーキの仕組みが異なる

 C58、キハ141など国鉄時代やそれと連結する前提の車両は 自動空気ブレーキ と呼ばれる機関車や運転席での空気圧でブレーキを操作する方式のブレーキが装備されているのに対し キハ110では電気指令ブレーキと言う その名の通りブレーキを各車両ずつ電気信号で操作する仕組みが採用されている。 なお、この装置間の変換装置も JR西日本のSLやまぐち号用に製造された35系客車で実用化されている。

 

 3つ 車体構造故に 窓が開けられないこと

 

 SL列車と言えば窓が開くだろう。 JR北海道のSL釧路湿原号 用の14系客車 などごく一部例外はあれど 12系や旧型客車、50系やキハ141系では窓の開閉が可能だ。

だが、キハ110系では固定されてしまっている。 さらに言えば構造的にあとから開閉窓にするのも簡単ではなく、結果として窓の固定化or車体の大規模な改造等が必要になる。

 

 4つ 付随車が存在しないこと。

 

 SL銀河用キハ141は動力車2両、 付随車(無動力車)2両で構成されていた。

 キハ110にはこの付随車が現状存在しないだけでなく1両or2両での運用が基本なので両方ともに運転台の無い車両が存在しない。 よって運転台の撤去やエンジンを撤去して発電機を設置するなどこれまた大掛かりな改造が必要となる。

なお、この場合キサハ110?と言う新たな形式が生まれる可能性が高いので個人的には気になる点でもある。

 

 5つ キハ110とて新しい車両ではないこと。

 

 最後の急行用車両 などともいわれるが、車体は現在主流のステンレスではなく 鋼製で、1990年から1999年製造と最新車両でも25年となる車両だ。

キハ141の元となったオハフ51も1977年から1982年製造なので割と近い将来に老朽化が来ることは確定している。

 

 6つ 車体が客車らしくない。

 

 キハ141は客車にエンジンを載せた物 という事もあり、車体は元の客車に運転席の窓を付けたことと乗務員用扉の片方を埋めた程度の差しかなく、シルエットは客車の原型を残していたことが 採用の理由の一つだと言われている。(むしろSL銀河用の装飾で客車らしくなくなった気もする。純粋に赤色に塗って50系を再現したほうが……)

  よって車体の大規模改修はここでも必要となる。

3/4と合わせて考えても車体そのものを新造することはほぼ確定事項だろう。

 

 また、車体の新造、 2、3号車はエンジンの撤去と動力台車の付随台車への変更、両先頭車のSL側は連結器交換、ブレーキ読み替え装置の設置、軸温度監視装置、ATSのSL補機モードの追加、 などなど原型を残さない超大規模改造となるだろう。

  もはや新造したほうが安く済む可能性すらある位には。 気動車ならNDCシリーズなどを流用することも可能だろうし、電気式やハイブリットとすれば燃費面でも有利になる可能性がある。また確実に長持ちする。

 

と言う観点からキハ110の客車化は現実的ではなかったりする。

ただ盛岡にはキハ110が大量に所属していることからメンテナンスや交換部品の面では当分は安泰だろう(キハ110が引退するまでは)。

 

以上が私の憶測です。