■「2018年01月」
人の流動が激しい職場にいると
居心地のいい時期もあるし
芳しくない時期もある
ここ数ヶ月の職場での僕は
頗るにこやかで朗らかだ
おそらく入店以来の明るさだろう
居心地が悪いからだ
厭な流れになる と予感した時は
最悪を想定する
蓋を開けると
それ程ではなかったが
居心地は予測以上に改善されない
周囲も僕も
最大限の譲歩をし合って
この居心地の悪さが
この人物配置図では
精一杯の最善だからだ
今の僕は
水商売で客あしらいをするように
スタッフによそゆきで接している
※
《干しほたるいか》がバカ売れだ
一過性の熱狂だろうが
まとめ買い客が増え続け
大量入荷しても欠品しがちだ
気になってつい買った
12gのぺらぺらな袋で
コスパ悪そうと思ったけれど
紙のように薄くのされたほたるいかが
結構な枚数入っている
ワタごと干してあるので
味も濃い
オーナーは「墨の味がする!」と叫び
僕は「塩辛っぽいな」と思い
店長は「いかクサイ」と言った
買う時に折角なので
他に色々と買ってみた
《あぶり焼きいかソーメン》と
《辛口するめ足》は
可もなく不可もなく
想定以上でも以下でもなかった
《甘酢いか》はやっぱり好きだ
酢が好きなせいだろう
《いか燻製》が一番好きだった
りんごの木のチップと
レモンパウダーを使っている
気づくと部屋が
いかクサイ気がした
※
2017年って
一体何をしていたんだろう
片付けながらふと思った
新しい事は何にもしていない
ああ、そうだ
一人でカラオケボックスって
初体験かも
酔ってたんで別に抵抗なかった
高校時代は
一人で喫茶店に入れなかった
それは抵抗あるなしじゃなく
女友達とかとおしゃべりする、
とかならともかく
自分一人のためとしては
喫茶店のお茶は
もったいない価格だったからだ
大学でバイト始めたあと
書店に長居し過ぎて
どうしても足休めをしたくて
コアの中の店に入った
文庫とかたくさん買ってたから
手持ち無沙汰はないだろう
そんな心配は杞憂で
僕はほんわり 店内や
ガラス越しに外をゆく人達を
お茶を前にして眺めていた
なんにでもはじめてはある
今年はとりあえず
はじめて自分で髪を染めてみた
無器用な僕でも
いつか慣れるだろう
※
君は
なにを
していますか
※
つまみに烏賊ばっかり食べてると
『なーんかキムチくさーい』
って言われた時の
君の口調を思い出して
キムチ臭いより
いかクサイの方が激烈かも
って
香りに敏感な君の前には
出れないなって悲しくなった
髪の色も
ちょっと変えようかな
とか考えたけど
昔、茶髪にした時
あんまり評判良くはなかったし
自分でも似合ってない気がして
すぐに黒に戻した
第一、
『真似しんぼさんですね』って
君から冷ややかな薄笑いで
一刀両断にされそうで、
ヤダ
なにをしていても
なにもしていなくても
誰といても
誰かといなくても
君の事を思っていると
君と出会って
二年と一ヶ月だ、
とか
キリスト生誕から
紀元がカウントされたみたいに
僕の時間の観念も
君と出会えた日から
カウントされるようになってしまった
職場で
にこやかに朗らかに
明るく過ごしている僕は
そんな毎日に
多分、少し疲れているんだろう
今も
倉庫で
君を思って
かなりな頻度で泣いてしまう
君を思って
泣いてしまうと
まだ大丈夫、って
少し
安心してしまう
君は王子様で王様で
ご主人様だったり
持ち主だったりするけど
僕の神様になっちゃうのは
ちょっといやだな
と逡巡している
君と出会って
二年と一ヶ月だ
なんにでも始まりがある
僕は、
君と出会えたあの日から
『始まった』んだろう、
きっと
-'18,01,-