【 冬の彩り 】
むせかえりそうな人混みのデパート
ツリーのライトがきらめく楽器店
ジャンパーのポケットに
片手をつっこんで
レコードのジャケットを
ひとつずつ見てる 僕
クリスマスソング
迷い子の放送
ざわめく冬の街に 僕がいる
斜めに射してる
白い陽光のなか
藁をけちらして一人 歩くたんぼ
並びうずくまる二匹の犬を遠目に
北の風に消される
口笛を吹く 僕
遠いアスファルト
グレーの車が消えてく
僕の町に 僕がいる
凍える息を見て
郵便受けの中の新聞を取りに
霜を踏んでく朝
妹が無器用に淹れるコーヒーの湯気
ストーブの赤い火に
じっとながめいる 僕
切ない溜息
ハデな馬鹿笑い
涙色の唄でラジオがあふれてくる
哀しい、幸福色の冬の中
ほおづえをつく
冬色の 僕がいる
-'78,11,25~'93,11,07-