▼「幸せな夢」 | Silver_Arrow_74

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▼「幸せな夢」

ちっちゃい君の夢を見たいけど
あんまり出てきてくれない

ちっちゃい君の夢を見た日は
一日中 機嫌がいい事に
最近 気づいた

頭悪いガキみたいだ

それよりもこの頃は
ちっちゃい僕の夢を見る

たいてい
君に会えなくなったと言って
泣いている

わんわん泣きながら
てけてけ歩きながら
街中をいつまでも
いつまでも探している

自転車の君を見つけて
わんわん泣いて走り寄ったら
シャーーーーっと轢かれて
また泣いている

可哀相になって拾って帰ったら
どこか壊れているんだろう
同じ話ばかり繰り返している

君のことしか頭にないみたいで
ご飯も食べないで
同じ話が堂々巡りしている

泣きながら寝つくと
何の夢を見てるのか知らないが
ごめんね と
ありがとう と
交互にうわごとを言っている

ある時
僕の携帯を見つけて
電話のかけかたを教えて下さい
と言う

君にかけられたらイヤだから
僕にもわからない と言うと
半ベソの顔で
素直に頷いた

見ないふりをしてると
一心に携帯をいじっている

僕と同じで頭が悪いのだろう
かけかたは解らないようだ

諦めたようなのに
それでも携帯の側から
離れなくなった

なんで? と笑うと
あったかい と言う
充電器に繋ぎっぱなしのせいだろう

寝る時も抱くように側にいる

この子も なにか
あったかいものが
あったかい記憶が
恋しいのかも知れないと
少し悲しくなった

仕事に行くと
あちこちに君がいる

倉庫につながるドアを開くと
必ず いる

ふわふわの前髪と
紺の制服で

僕の心を塗りつぶした
眩しくて
あどけない笑顔で

君が笑わせてくれた
たくさんの意地悪と
君が言葉にしなかった
たくさんの優しさが
まだ
そこらじゅうに
充満している

もう 切ってしまった前髪
もう 着る事のない制服

ちっちゃい僕を連れて来てあげたい
ここで君に会わせてあげたい

って思うけど
きっと わんわん泣いて
君の膝に取り縋って
ごめんね と
ありがとう と
イミフに繰り返しそうだから

君を困らせて
二度とここで会えなくなったら
それは僕が
生きてけないから
連れて来てあげられない

帰ってから
なんだか後ろめたくて
酒を勧めた

君に会えなくなって
もう僕には必要がないから
全然減らない

ちょっと呑ませると
たちの悪い酔っ払いになった

僕は大丈夫 とか
一人でも大丈夫 とか
嘘ばっかついている

平気だもーん
えっへっへっーんだ
とか言いながら
泣きベソかいて眠ってしまった

起きたら
携帯の側に
いなかった

仕事の支度をしながら
次は連れて行ってあげようかな
と思った

あちこちに君がいて
たくさん たくさん 君がいて

きっといちいちビックリして
歓声を上げたり
わんわん泣いたり
うるさいだろうな

君が
僕にたくさん
そうしてくれたように
ちっちゃい僕にも
いっぱい意地悪を言って
いっぱい いっぱい
優しくしてくれたら
うれしいな

それを見ながら
仕事しよう

僕も一緒に
泣きながら
仕事しよう



-',,-