▼「幼稚な絵日記」
秋の陽射しが昼前の街に満ちて
それを全部ひとりじめしたみたいに
君が どこもかしこも
きらきらしてる
髪を切ったせいかな
君は新しい髪型が気にくわないみたいで
キャップを取ってくれなかったけど
二つくらい若くなったようで
清廉な少年みたいで
眩しくてどきどきした
いつもは少し気恥ずかしくて
君の目線を少しずらしてお話するけど
今日は
じっと見つめていられた
きらきらしてて
光りを集めて
本当にきらきらしてて
君が めちゃくちゃ
まばゆかった
ずっと見ていられたのは
君が
僕の方を
あんまり見なかったせいだ
避けるように
逃げるように
君は
僕を見ようとしない
嫌がるように
会いたくなかったみたいに
僕と目を合わしてくれない
たまに目が合うと
面映ゆそうに笑ってくれるけど
別れ際
またね って言うと
機会があったら って
曖昧にうやむやに煙に巻いた
きらきらした君は
もう
僕を見てくれない
並んでいるのがつらいほど
僕は
穢れているのかな
眩しい君の横に
不釣り合いで
恥ずかしい思いをさせるのかな
悲しかったけど
そんな気がした
そう思われて
仕方ない気が
なんとなく
した
きらきらした君に背中向けて
ひとり帰る
きっと 君は
疲れていただけだから
そんな 中坊みたいな
被害妄想はヘンだから
自分に言い聞かせて
きらきらした街を
ひとり帰る
酔っていたら泣いたかな
素面だったとしても
酔っ払いの涙じゃないもん
って 泣いたかな
昨日のバイトの酒が
中途半端に残ってて
泣いちゃいけない気がして
きらきらした陽射しの中を
ひとり帰る
会えただけでも
嬉しかった
君は僕といると
何故かいつも寒いんですって
その通りに寒そうで
僕一人で
あったかくなってごめんね
って
君が側にいるだけで
ポカポカあったかくてごめんね
って
ちょっと おかしかった
やっぱり
大好きって
消えない大好きが
逃げられない大好きが
胸いっぱいに
ぎゅうぎゅうで
これから僕は
もう目を合わせてくれない君を
逃げ去ってく君を
ずっと見つめているのかな
ロケットみたいに
ぴゅーんと去ってく君を
ずっと見つめているのかな
君が普通にそこらへんの男子だったら
見えなくなって
おさらばじゃ! ですむのに
きらきらした君は
きらきら
きらきらした君は
どんなに遠くなったって
星みたいに
ちゃんと僕の心に見えちゃいそうで
困ったな
きらきら きらきら
きらきら きらきら
もうこれ以上
好きになんかなれない
って
何回も 何回も 思ったのに
君は
まだまだです
まだまだ先が
まだまだ奥が あるんです
今まで よっぽど
幼稚な遊びしかして来なかったんですね
って
愛してるより
先ってなんだろう
「愛してるより先」
そんな怖い場所があるなんて
今まで
思いもしなかったのに
きらきらの原因が
街じゃなく
秋じゃなく
光じゃなく
君自身がきらきらの
発光体だったとしたら
僕はもう 目を灼かれて
君しか見えない
体にされてしまってるのかも知れない
-',,-