「波間の昼顔」
五分くらいだけ
君に会いにゆける
仕事だけど
ホントはいやだな
時化に放り込まれたゴムボートみたいに
打つ手も無く乱れてた気持ちを
少しでも凪に戻せるお休みに
プリズムみたいに色を変える
悪戯にきらきらした目と
目が合って
また
船底から揺らいでしまう
戦車みたいに力強いのに
羽がないのが不思議なくらい
温かい背中を目で追って
また
高波に濡れてしまう
陽射しを避けて
ひっそりと花弁を休めた昼顔が
思わぬ眩しさに
また
ふうわりと
開いてしまう
お疲れさまを言ってしまったら
一人
昏い戸外へ出なきゃなんない
安っぽいゴムボートは
たった五分で
また荒波に翻弄されて
弄(ろう)すると
弄(いじ)ると
弄(もてあそ)ぶは
なんで
おんなじ漢字なんだろ
とか
ワケわかんない事考えながら
帰りは多分
振り向いたことがない
帰りたくない
ばかちん
大好き
いぢわるいぢわるいぢわる
側にいたいです
とか
顔にいろいろ書いてあるのを
あのプリズムに
読み取られそうで
どうせ昼顔は
実を結ばない花だけど
嵐の波間に
一人っきりで弄ばれて過ごすのは
ホントは
ちょっぴり心細い
-',,-