「パペット」
何本かの糸は
もう既に切られていた
その事は気づいてた
こんな事態は初めてじゃない
いずれ君もいなくなる
少し泣くか
たくさん泣くかは知らないが
いつの間にか
季節が幾つか変わってた
と気づく頃には落ち着いている
僕は操り人形だが
所詮
操り手は僕だ
糸はその時修復できる
次は凧糸にでもしてしまおう
と思っていたのに
どうせ
鋏くらいしか持っていないと
たかをくくっていた君は
そんな所に収まるはずがない
ジーンズのポケットから
鉈やら斧やら
ギロチンやらを矢継ぎ早に取り出して
止める間もなく
ザクザクと
全ての糸を切ってしまった
僕の手には
糸の垂れ下がった
操り軸だけが残されて
人形は舞台の上で
四肢を裂かれて転がっている
慌てふためく僕の手から
人形の上に
操り軸を振り落とし
君はガソリンを撒いてしまう
炎の勢いに
ただ泣き叫ぶのがやっとで
何が起こっているか
理解も追いつかないうちに
君は
僕の手足にワイヤーを括りつけ
高い場所から
冷淡な薄ら笑いで
死ぬより恥ずかしい踊りを
させ始める
嬉しくて
アタマがおかしくなりそうなくせしやがって
幸せで
どこもかしこも堪らなくなりそうなくせしやがって
なに泣いてんだ
足りないんだな
まだ足りないんだな
と
リズムボックスのように
鳴り続ける声に合わせて
-'16,09,06-