フリトの進行があーさまだった!!
珍しいですよね?てか私は初めて聞いたかも!
ラストに全部持ってかれた気がしました(笑)。
そうそう、フリトCDが「蟹工船」との連動特典なのでフリトはないのかなと思ったらちゃんと入ってましたw
ではでは感想など。まずは羅列ってみます。
・頭から最後までこんなに胸が苦しい作品は初。辛かった。
・人の弱さはイコール人間らしさだって言っていいんじゃないかなあ。
・石田彰を「K」にキャスティングしてくれてありがとう!
・予想以上に生々しかった。文字通り、作品に「生き血が通った」と思った。
・しかしながらそれは別物かと。主観の位置が「私」→「先生」のため全く別の作品の印象。
・「私」と「先生」の関わり方をほぼ省いているため、なぜ「先生」が「私」に懺悔に似た遺書を送ったか、なぜ「私」が「先生」に人生が変わるほどに傾倒していたかの説明が足りない。足りな過ぎ。ここは原作で要補完。
原作読もうね。それに尽きるかなあ。
ドラマCDとしてはやや未完な感じは否めないかも。
どうしてマモが演じる「私」が出てくるのか、その必要性が感じられないつくり。
まあ、尺から言ってしかたないし、かといって「私」が登場しなかったらそれは「こころ」とタイトルを冠していいかわからなくなるので目を瞑れる範囲です。
でもなー。
初っ端、「先生」について「私」が語るところから始まるのですが、それが過去形なんですよ。
正直なところ、それで既に萎えました。
まあ遺書の内容にそって物語が進んで行くうちに気持ちは入り込んじゃったので最初だけでしたが。
そうかな、そういう風にしか作れないだろうなあとは予想してたんですがやっぱり…ねえ。
過去形で「先生」について話すということは、すなわち今「先生」は亡き人だということです。
原作では「私」が「先生」からの手紙…読みすすめるうちに初めてそれが遺書だと気付く訳ですが、それを見るやいなや実家を飛び出して先生のいる町への列車に向かうところで終わります。
「先生」は死んでしまったのか「私」が間に合ったのか、まあ手紙が到着するだけの時間があるわけですから間に合わないだろうとは思いますけれど、それでも読者の想像に任せるだけの余地を残してくれていたわけです。
だからこそ、「先生」のもとへ向かう「私」の手の中にある手紙を最後の章で読んでいる読者は、「私」と共感してどんどん焦燥感にかられ、また恐らくは自分が知らず知らずに「先生」を追い詰めてしまった「私」に気持ちが重なって、尚のこと胸苦しさが行き場を失くして辛くなるわけです。
そしてそれがいい。
しかしながら、原作の言わんとするところ(と私が思っている)人間の心のありよう、醜さ、弱さ、脆さ、そんなものは声にのることで本当に強く強く伝わってきました。
特に主眼を置かれた「先生」の人間らしさについては、モノクロがカラーになった程の違いを感じました。
また「K」についてもそれは同様かと思います。
「静」についてはややおてんばすぎるとも思いましたが(笑)、実のところはあんな感じなのかもしれないとも思えました。「先生」「K」の二人がその時代に心惹かれる理由を納得させるにはあの演出は正解かもしれません。
苦しい、苦しいと思いながら聴き入ってしまう今作ですが、これが「こころ」という作品の楽しみ方だと思います。人によってそれぞれだとは思いますが、個人的には。
でもって原作を読んでない人は読もう。
「私」の心のありようもまた印象深いです。
なぜ「先生」は「K」が死んで時を経て今死を選んだのか、なぜ「先生」は「私」に懺悔の言葉を遺書として残したのか、「私」はなぜ「先生」にそれほどまでに心を奪われたのか、すべてがきちんと描かれています。
また、文語調で書かれた文章独特の行間というものは、やはり書物で触れることしかできないと思います。
音になることで始めて感じたモノも確かにあるので、これは仕方ないですけどね。
人間は実に自己中心的な生き物です。
「偽善」という言葉がありますが、「満足」には「自己満足」しか種類がないのだから当たり前のことです。
他のために尽くして得られる満足も、すなわちそういう自分が好きだという自己満足なのですから。
というのが私の正直な考えです。
「こころ」を読むと、人間が醜い気持ちに囚われ、それでも清くありたいと願いながら生きているさま、またそうやって足掻きながら生きるさまこそが美しく人間らしいのだと思わされます。
最終的には、とてもよい作品でした。
何度も聴きたいと思えるものでしたが、とても疲れるので(これは予想以上)、時間をおいてまた。
しかし速水さんの「先生」も見事でした。
キャスティング最高。
これは感想のお手紙をキャストさんに送りたいなあ。
そうそう、遊び人吉岡役の三木眞さんがハマり過ぎてて笑いましたw
「蟹工船」は予約が遅かったせいか発送しましたメールもきてません。
こっちはどうかなあ。ワクテカです。
てか漱石読み返したくなりました。
どこにあるかなあ…鴎外はすぐ見える所にあるんだが…orz
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この小畑健の表紙にして売上5倍になったとか聞きました(笑)。
こういうコラボはどんどんして欲しいです。
純文学はもっと読まれるべき。最高に面白い。