特に、Twitterでちょこっと拡散されたらしく、色々なコメントが流れているのを見るのは楽しかったです。肯定的でも否定的でも、自分の作った作品にコメントがつくというのは、やっぱり嬉しいもんです。
と、前置きはここまでで、ここから少し真面目なお話。
Twitterをながめていると、チラホラとゲームの開発者の方もいたようです。
で、その方たちにとってはゲームのおまけの『カイセツ』は不十分だったのではないかな?
と少し反省したわけで、ここに『カイセツのカイセツ』を書かせていただきたいと思います。
改めてカイセツしたいなあと考えたのは下記の2点。
・今回の実験作のデメリット
・これから進化の余地があることについて
半分は自分用のメモでもあるので、かなりの長文になります。
また、『カワリモノ』クリア前提のお話にもなります。
暇で暇でどうしようもない時にでも、さらりと読んでいっていただけると嬉しいです。
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■今回の実験作のデメリット
私は、良い話と悪い話があったら、先に悪い話を消化したいタイプなのでまずはこちらから。
ゲーム中のカイセツでは、けっこう夢のあるようなことを書きましたが、この実験作にはかなり大きなデメリットが3つあります。
まず、ユーザー側のデメリットとして
①ゲーム本体に含まれるすべての要素を遊べないことに、不満感を覚える場合がある
今回のシステムでは、ユーザーの好みに合わせて物語を組み換えるわけですから、あえて見せない部分がでてきます。これに対して、ユーザーによっては損をした気分になる人も出てくるでしょう。
『何故すべてを遊ばせないのか?』と。
最近、ソフト内に最初からデータが含まれているにも関わらず、発売後の課金でそのデータを解放するという『アンロックシステム』がかなりの不評を買っています。このシステムは、ユーザーの目線に立っているはずなのですが、『アンロックシステム』のように思われてしまう可能性も十分にあり得ます。
次に開発側のデメリットとして
②総プレイ時間が短くなる
これまた物語をユーザー好みに組み換えるために、出てくるデメリット。つまり、『読まれないシナリオが出てしまう』ということです。
その結果、普通のビジュアルノベル(選択肢なし一本道ノベルゲーム)では『総プレイ時間20時間』となるのに対して、このシステムを使用すると『総プレイ時間10時間』ぐらいになります(たぶん)。
結果としてボリューム不足になり、開発者側は商品として見劣りするのではないか? という恐れを抱くことになってしまいます。
最後に、これも開発者側のデメリットとして
③自分が表現したい物語を書けない
ビジュアルノベルの開発者の方々は、『自分の書いた物語を、小説のように意図した順番で読んで欲しい』という想いがあるのではないか? と私自身は考えています。
そのため、『ビジュアルノベルを開発している方々』がユーザーによって組み替わる物語を良しとするかどうか……と疑問に感じてしまうわけです。
実際、今回の『カワリモノ』のような短編でも、シナリオライターとしての私が見せたかった部分はエンド2です。あとの分岐は、このシステムを実証するために、無理をして書いたところもあります。
私はゲーム開発という意味で楽しく作っていましたが、これがもしシナリオライターの役割だけの参加だったら、つまらない作業になっていたかもしれません。
以上、長々と書きましたがここまでがデメリットです。
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■これから進化の余地があることについて
さて! 暗い話はここまでです!!
これで終わりでは、『じゃあ、実験作失敗じゃん』てことになってしまうので、以前ブログにもチラリと書いた『進化の余地』について記載していきたいと思います。
それを話す前に、まずこのゲームを開発するに至った経緯について簡単に記載します。
皆さんは、『経験価値』と言葉を聞いたことがあるでしょうか?
詳細はこのサイトなどを見ていただけるといいかなと思うのですが、すっごい簡単に言うと、滝川クリステルが言っていた『オ・モ・テ・ナ・シ』。
ただ『使いやすい』だけじゃなくて、この『おもてなし』のような人間視点の『心地良い』サービスや商品の付加価値のことを『経験価値』と言います。
(めっちゃざっくりした説明なので、正確ではないかもしれません。詳細は調べてください;;)
実は私、最近この『経験価値』に関係した仕事をしていまして、その中でちょっと面白い技術に出ったんです。
それが、『エスノグラフィー調査』というもの。
これも私が学んだままにぶっちゃけて書くと、例えば事務作業をしている人の後ろにじーっと立って、その人物の動きを弟子として観察。疑問があれば『それはなんですか?』『なぜ、今その線を引いたのですか?』とか聞いていくものです。この観察・質問結果を分析して、事務の効率化を図ったり、より良い作業方法を考えていったりします。
これを見て、私は思いました。
あれ、これゲーム開発に使えるじゃん、と……。
公私混同甚だしいですが、そう思っちゃったんで仕方がないですね。
これに以前もブログで書いた『ノベルゲームのゲーム性の問題』が加わり、『カワリモノ』開発のキッカケとなったわけです。
それで、実際に私が何をしたかというと……もちろん、プロのエスノグラフィー調査ができるはずがないので、『似非エスノグラフィー』を行いました。
具体的には、他人のゲームのプレイ動画を見ました。
で、『なんで、この人は今セーブしたんだ?』とか『すっごいマウスがくるくる回ってるけど何か意味があるのか?……あ、キャラゲットできて嬉しいのか』とか、色々と観察しました。
その結果が……『カワリモノ』の仕掛け、というわけです。
そして……ここからが本題なんですが、私が行ったのはあくまでも『似非エスノグラフィー』。いや『エスノグラフィー』という言葉を使うなんておこがましいと思えるような観察です。
実際にその場にいたわけでも、ユーザーに質問したわけでもないですし。分析だってしてません。なんとなく出た結果です。
そう考えると、プロの方が実際にゲームをプレイしている場面に立ち会い、『エスノグラフィー調査』を行うことで、私の仕掛けなど歯牙にもかけないような驚くべき仕掛けができてもおかしくない……それはまさに『進化』と呼べるレベルのものだと思います。
実は、この『経験価値』の先駆者として『アップル』、『スターバックス』の他、日本では『任天堂』も名前が上がっています。
そして、『任天堂』とサウンドノベルという新ジャンルを築いた『チュンソフト(今はスパイク・チュンソフト)』が組んでゲームを作ったら……と考えると、期待感が半端ないのです!!
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