映画「テネット」を「武学」目線から考察するシリーズ、その5です。

ただ、内容をご紹介しますので、観てない方はこの先はネタバレ必須です。

 

↑壁から玉が逆行して主人公の銃に納まる

キエフから船を乗り継ぎ、主人公はある物理学者と会います。

彼女は主人公に逆行する拳銃の弾丸を見せます。

物理学者「貴方からしてみれば、弾を取った。 弾からしてみれば、落された。」

主人公「原因と結果が逆だ。」

物理学者「重要なのは事象ではない。 感じる事。」

↑彼女は未来から送られてきた来るべき戦争の残骸を研究している

主人公「これと同じもので撃たれかけた。」

物理学者「良かった。 逆行する弾丸で打たれたら、とんでもないことになるわ。」

 

直径1センチ以上の表面が平面の鉄の塊が、物凄い速さで肉体を貫くのです。

弾丸に貫かれた部分の肉体の組織はゴッソリと持って行かれることになるでしょう。

物理学者はこの弾丸は未来から送られてきたと告げます。

彼女が言うには未来にとんでもない事が起こっているのではないかと言います。

 

数日後、主人公は、この不思議な弾丸をさばいているであろう、一人の武器商人に会いに行きます。

しかしその人物に会うには、協力者が必要だと言われ、

 

↑主人公の好みを熟知しているニール

ニールと会います。

彼は非常に聡明で腕も良く主人公の良き相棒として作中でも活躍します。

主人公「武器商人サンジェイ・シンに会いたい。」

ニール「だったら、バンジーとびだね。 脱出法でもあるけど、入る方法でもあるんだ(笑)。」

主人公「・・・・?」

この後、彼らはとんでもない方法で武器商人に会いに行くのですが、それは映画を見て下さい。

 

↑ムンバイの大物武器商人プリヤ

主人公達はサンジェイ・シンの妻であるプリヤから有力な情報を引き出すことに成功します。

彼女が言うには世界で最も危険な武器商人は、自分たちではなくロシアの富豪、アンドレイ・セイターだと。

そして彼は未来と交信し、何か想像もつかないようなことを企てている事。

プリヤは主人公に、セイターに近づき、彼の真意や役目を探る事を依頼します。

 

セイターの仲介役には、彼女の妻であるキャサリンを通じてでないと会えないと言われ、

主人公はキャサリンと接触を図ります。

若く美しく聡明で、イギリスの貴族でもあり、美術品鑑定士の資格を持つ彼女は、

実はセイターに恐怖で脅される日々を送っていました。

 

↑夫にずっと監視をされているキャット(キャサリン)

主人公は彼女の弱みを握り、彼女に近づいてセイターに会わす様に頼みます。

キャサリン「お願い? 脅しでしょう? アナタもあの人と同じように、私を脅したらいいわ。」

主人公「何故セイターの言いなりになっているんだ?」

キャサリン「息子を人質に取られているのよ。 もう私には戦う気力も無いわ・・・・。」

 

問答無用に意味の分からない危険な作戦に巻き込まれた主人公。

彼は、セイターに脅されて言いなりになるしかないキャサリンに、自分の境遇を重ねたのかもしれません。

主人公「俺ならば助けてやれる。 ヤツの情報をくれ。」