ホーチミンに向かうバスの隣席には、あごから3本だけ伸びた髭をもつカンボジア人だ。

逆波平である。

なぜ彼は3本だけ伸ばしているのだろう?

桜新町 サザエさん通りの波平の毛を誰かが抜いた事件があり、問題となったが、おそらく隣席の彼のあご髭を抜いても問題になるだろう。

だからやめた。
利口な選択である。


1日遡る。

カンボジアは今ちょうど正月であり、王宮に行ったが入れなかった。
宿近くのレストランもほとんど閉まっているため、激混みの中華料理店に入る。

ひとりでANGKOR BEERと話し合っていると、花沢さんに似た中国人のおばちゃんが相席で座ってきた。

磯野カツオの気分である。
近くに中島がいたら、野球に誘っていたところだ。
あいにく中島は居なかったが、カラになったANGKOR BEER BOTTLEが だんだんバットに見えてくる。

ちょうど良いタイミングで店員がソフトボールのようなものを持ってきた。

目をこすって よく見ると、小さめのココナッツじゃないか。

打ち返さなくて良かった。
これまた利口な選択だった。


ココナッツの蓋を開けると、グロテスクな黒い鳥の入ったスープだ。

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花沢さんに勧められるとカツオは断れない。

ここはグルメリポーターになったつもりで、この不思議なスープを飲もう。

ゴクリ…

なにっ⁈
う、うまいっ‼


ココナッツの玉手箱や~!

と、言いたいところだったが、英語にできず、彦摩呂のような笑顔でGood taste!! を繰り返し、ラモス瑠偉のごとく親指を立たせるのが精一杯だった。

これはビールがすすむではないか。
アンコール ビールだけに、もう一本頼もう。

そのスープは 鳥のダシだけでなく、高麗人参や、香草、
それからシーフードの感じもあるな。


なんだろう、この風味は、、



サザエだぁ!!