マルシン製ベレッタ「CQB」不具合解消 | 黄昏オヤジの暴発日記

黄昏オヤジの暴発日記

退職後の第二の人生を手探りで進むオヤジのモデルガン+独り言。黄昏に染まりながら気まぐれに発火しつつ、この世の由無し事に毒を吐く(令和4年5月20日・タイトル一部修正)

 今回は、マルシンのベレッタM92系列の「CQB」(HW)モデル。

 通常のM92と比べるとスライドがブリガディアタイプでバレルもちょっと短いショートタイプ。前後サイトも別パーツで、ハンマーもスケルトン。細かいところではグリップのえぐり加工も少し深い。カスタムと言っていいくらい手が込んでおり、素直に格好いいと思う。

*仮面ライダーアマゾンを思い起こさせるような柄のグリップを付けてます。最初は馴染みませんでしたが、今ではすっかり慣れ気にいっています(^^♪。

 紹介するのは昨年ネットで手に入れたもの。キットではない未発火の完成品ということでとてもきれいなモデルだった。しかし発火してみると大きな欠点が二つあった。

 

 まず一つ目は、このモデルによくあるスライドキャッチの不具合。

 最終弾発火後、マガジンフォロワーはスプリングの力で最上点まで上がる。その際にスライドストップの一端が押し上げられホールドオープンとなる。…はずなのだが、そこのコンタクトが外れスライドストップがフォロワーの下に潜り込み、にっちもさっちもいかなくなるというトラブル。初期のモデルでは発生しなかったと思うが、年月が経って金型が疲弊したのか頻繁に耳にするようになった。新規の金型になったモデルでは改善されたということも聞くが、オークションをはじめとしてマニアの手にあるのは圧倒的に旧タイプなので、このトラブルに悩まされている人は多いと思う。

 良く知られた対応策は左側のグリップパネル内側、ちょうどスライドストップと接するあたりに1ミリ程度のプラ板を接着し、きつめに押さえるというもの。症状が軽い場合はこれでうまくいく。しかし重度の場合はこれでもうまくいかない。そもそもこのトラブルの原因がよく分からない。スライドストップの軸が入るフレーム側の穴が適正値よりも大きいから(金型疲弊の関係?)とか、インナーの金属フレームと外側の樹脂フレームの相性(これも金型疲弊?)だとか言われる。

 私の入手したモデルもかなりひどく、どうやっても治らなかった。そこで本体側をいじるのは諦め、マガジンをいじることにした。どうやったかは写真を見れば分かる。

*遠慮なくイモネジをねじ込みます。これくらいで不具合は全く起こりません。

 マガジンフォロワーがスライドストップと接する場所にイモネジをねじ込んだ。つまり、フォロワーとスライドストップのコンタクトが浅いので外れるのであれば、外れないくらい大きくすればいい、という考え。単純である。イモネジの大きさはデトネータを固定するものと同じ。電動ドリルでフォロワーに穴を開け、ねじ込んでいけばよい。カートを装填する際に引っかかるようであればさらにねじ込むか頭を削ればいい。多少出っ張っていても、このマガジンはダブルカラムのシングルフィードなので、フォロワーが少し下がれば左右に余裕ができて作動には問題ない。これの効果は絶大。もう、傾けようが逆さまになろうが何をしようが確実にホールドオープンする。なお、別にイモネジでなくてもいいと思う。フォロワーの該当箇所に瞬着でプラ板を張り付けたってうまくいくと思う。大して力のかかる場所ではないので接着で充分じゃないかな。お試しあれ。

 

 二つ目は、もしかして私のモデル固有かも。

 発火しているとトリガーを引いてもハンマーが落ちない場合が何度もあった。トリガーバーがシアに触れず、そのまますかされているような感じといえばいいかな。右側のグリップパネルを外して何度もトリガー作動させるが最初は原因が分からなかった。仕方なくドルフィンモデルを持ち出し、同じくグリップパネルを外して動きを比べてようやく気が付いた。トリガーバーを下から支える(テンションをかける)スプリングが外れてしまっていた。このスプリングが機能しないとトリガーバーがシアとコンタクトできない。つまりハンマーが落ちないわけ。でも組立時はちゃんと接していたのに、途中で外れるのかがわからない。再度、繰り返し動かしていると原因に気が付いた。このスプリングは一端がトリガーバーに、そしてもう一端がフレームに接しているが、フレーム側がインナーの金属フレームと外側の樹脂フレームの間の隙間に落ち込んでしまうために有効なテンションをかけられない。通常は金属と樹脂の各フレームが密着しているのでそのようなことは起こらないはずなのだが、私のモデルにはほんの僅か隙間があった。

*トリガーバーの下に接しているのがそのスプリング。このスプリングの下側がインナーフレームと外側の樹脂フレームの間の隙間に落ち込み、トリガーバーに適切なテンションをかけていなかったわけ。なので、バーが下がりシアにうまく接することができず、ハンマーが落ちなかったという次第。画像で分かるようにフレームの隙間に薄いプラバン(黒い端がのぞいている)を何枚か押し込み落ち込みを防いでいる。対処療法であるがこれで十分に用をなす。

 なぜこうなっているのか分からない。先のスライドストップのトラブルの際にも触れた、インナーの金属フレームと樹脂フレームのフィッティングの問題だろうか。カスタムグリップパネルを使用した場合など、通常以上にグリップスクリューを押し込んだりしたりするとこんな不都合が生ずるかもしれない。ただ、私も現在はカスタムグリップを付けているが、私の場合は純正のときからトラブっていたけどね。

 とにかく原因が分かったのでどう改善するか。これも簡単。隙間が空いているのが原因なら隙間を埋めればいい、というわけで隙間に薄いプラ板を何枚を押し込んだ。対処療法だけれどこれで症状は全くでないようになった。

 あとついでに行ったのは、ハンマーのコッキングの際のテール部分の破損防止のためゴム板を張り付けたことくらいかな。

 

 ということで発火である。

 使用したのはオリジナルの9ミリPFC+爆音プラグ、キャップは金色のMG。15発×2マガジン一気撃ち。まったくトラブルはなく完射し、こだわるホールドオープンも完璧。先日紹介したMGCのM9に比べ作動感は軽やかでピシッとしている。ガス抜けも良く発火音も室内であればこれで充分。本当に良いモデルガンだと思う。

 

マルシン製ベレッタ「CQB」 (youtube.com)

 4月には新型X-PFカート仕様になって再版される予定らしいが、すでに予約枠が一杯になったショップもあるようだ。私も2挺予約している。改良しながら長くモデルを提供してくれるマルシンさんには感謝だが、言わせていただければ補修パーツは十分なだけ用意していただきたい。先日、ヤフオクでCQB用のショートバレルが出品されていたが最終落札価格は何と10,000円をオーバーしていた。オークション特有のことかもしれないが、はっきり言っておかしい。絶版品ならばともかく、曲がりなりにもメーカーが存在し継続的に発売されているモデルに関して、マニアがこのような非常識な負担をせざるを得ない状況は解せない。生産計画等メーカー側にも事情はあろうが、このモデルに限らず、補修パーツもしっかりと準備いただくように切に願う次第である。