「ダーティ・ハリー」の小ネタ「Play Misty for Me」 | 黄昏オヤジの暴発日記

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退職後の第二の人生を手探りで進むオヤジのモデルガン+独り言。黄昏に染まりながら気まぐれに発火しつつ、この世の由無し事に毒を吐く(令和4年5月20日・タイトル一部修正)

 今回は映画ネタ。

 実は初出ではなく以前HPを主催していた17.8年ほど前、掲示板に一度掲載した。なので、当時お付き合いいただいた方の中にはご記憶の方もいるかもしれない。ただ、それ以降もこのネタに関する情報を見たことがない。ということは、未だにトリビアとしての価値があるのかなと考えた。そこで、かつて映画少年だったオヤジがちょっぴり自慢げにご紹介する次第である。細やかな小ネタであるが・・・。

 

 「ダーティ・ハリー」といえば、世の中にマグナムブームを巻き起こした一大傑作刑事アクション映画。クリント・イーストウッドの代表作でもあり、44口径マグナムの「S&WM29」を世界一有名な拳銃にした映画であることは論を待たない。およそ銃に興味のある者なら知らないはずはないだろう。

 この映画、本国アメリカでの封切りは1971年12月23日で、日本では翌2月に公開された。監督はドン・シーゲル。イーストウッドとは友人で「マンハッタン無宿」や「真昼の決闘」などでもコンビを組んでいた。

 イーストウッドといえば、今では名監督としても有名だが、そんな彼の初めての監督(兼主演)作品が「恐怖のメロディ」というサスペンス。イーストウッドはストーカーに命を狙われる人気DJの役を演じている。この映画の公開も同じく1971年の11月12日。初めての監督作品ながら良く出来た映画で批評家からも賞賛されている。ただ、シーゲル監督がバーテンダー役で出演していることや撮影監督がいわゆる「シーゲル組」のブルース・サーティースであったことなどから、シーゲルの助言が相当あったのではと揶揄されたようだ。この映画の原題名が「Play Misty for Me」。

 

 当時中学坊主だったオヤジは「ダーティ・ハリー」にすっかりのめり込み、何回か映画館で観たほか、テレビやビデオで何度も繰り返して観た。映画館で売っていたガイドブックはすり切れるほど見返した。実はオヤジは映画少年でもあった。今と違い当時はどんな街にも映画館があり、オヤジの住む街にも徒歩圏内に5件の映画館があった。父の仕事の関係でよく無料の招待券が手に入り、映画館も凄く近かったので本当によく映画を観た。また映画雑誌も定期購読し、毎月なめるように記事を読んだ。

 そんな映画好きでガン好きだった中学坊主が、何回目かの鑑賞で気が付いたのが今回のネタ(前置きが長くなり失礼)。

 

 下の写真は「ダーティ・ハリー」巻頭の銀行強盗との銃撃シーン。

 イーストウッド扮するキャラハン刑事が、横転した車から逃走しようとする銀行強盗めがけてM29を構える。倒された消火栓から上がる大きな水しぶき。左隅には、先ほどまで入っていたホットドック店の店主のややおびえた姿が見える。颯爽としたダーティハリーの格好良さと44マグナムの強烈さを印象づける名場面であるが、この中にネタがある。

 中央、通りの壁面から突き出す看板をごらん願いたい。

 お気づきであろうか「Play Misty for Me」という劇場用看板に。そう、イーストウッドの初監督作品名である。

 こちらは、銃撃戦の前、ハリーが今まさにホットドッグ店に入ろうとするところ。右奥にはっきりと看板が見える。ちなみに、あのホットドッグって「ジャンボホットドッグ」っていう商品名だったんだ。

 全くの私見だけれど、イーストウッドの初監督作品がたまたま本作収録中に公開になったことから、友人でもあるシーゲル監督が気を利かし、冒頭の銃撃シーンに看板が入るように撮影したのではないだろうか。もしかするとわざわざ看板を作ったのかもしれない。邦画でもたまにあるが、仲の良い友人が主演する映画に、別の俳優が筋に関係のない通りすがりの役などで顔を出すことがある。カメオ出演というが、それの変形版かな何て思う。真相は分からないよ。でも、そう考えると面白いじゃないか。

 

 上が、「恐怖のメロディ」の本国での広告用ポスター。ストーカー役のジェシカ・ウォルターの顏が怖い(TT) 

 下は、「ダーティ・ハリー」を撮影中のイーストウッドとシーゲル監督。映画の冒頭、屋上狙撃場所での遺留品捜索のシーンだろうか。ラロ・シフリンの音楽もスタイリッシュで印象的だった。しかしイーストウッドは本当にかっこいいなぁ。

 このことに気が付いてもう40年は経つが、この間、自分以外にこのネタを知っている人に出会ったことがない。なので細やかながら自慢だった。

 ところが、今回改めて探ってみると、いた。どこに?アメリカに( ^o^)ノ。実は、今回紹介する写真を探してネットをうろついたがすぐには見当たらなかった。そこで、よもやと思いつつ「Dirty Harry Play Misty for Me」とアルファベットで検索をかけたら、このことを紹介しているようなブログに引っかかった。

 海の向こうにも、密かに気付いてニンマリしていた好き者がいたかと思うと、ちょっと楽しい(^^)

 

 ということで今回はこれまで