10月16日(土)のマイナビニュースで貯金額が300万円以上ある世帯は48%とあり、2020年から5ptと増加しているとし、更に20代は+11pt、30代は+15pt増加しており、若年層の貯金額が増加したとしておりました。
又、少し前にヤフーニュースではコロナ禍で国民の消費の機会が減り、貯蓄にまわる「強制貯蓄」になっている、日銀の試算では国民1人当たり16万円ものお金が強制貯蓄になっていると報じていました。
この2つの報道に私が疑問を感じるのはこれらの貯金額は純資産なんですか?
という点です。
大切なのはバランスシートで貯金額だけを見て国民の貯金が増えた増えたという報道に違和感しか感じません。
資産-負債=残りが「純資産」です。
国民の純資産が増えているのであれば、これらの報道にも納得出来ますし、みんなお金を使って経済的まわそうよ!という考えも理解出来ます。
しかし、純資産が増えている世帯があるとすれば元々お金を持っていた富裕層だけだと思います。
理由は簡単で、例えば住宅ローンが2,000万円ある世帯で、貯金が300万円あっとしてもバランスシートで見たときの純資産は-1,700万円で負債の方が上回っています。
このように住宅をローンで購入している世帯の多くは貯金額がローン金額を超えていなければどんなに貯金額があっとしても負債の方が大きいです。
又、住宅ローンをまだ組んでいない、もしくは住宅を購入する予定がない人でも、特に若年層においては結婚、出産費用、子供の教育資金など、これから訪れるライフイベントで今ある貯金を使うことになり、それらは貯金ではなくいずれ使う予定が決まっている引当金だったということになります。
つまり、貯金額だけのアンケート調査を元に作られた「国民の貯蓄額」が増えてるという報道には意味がなく、是非とも各メディアには負債額の調査も同時に行い、純資産で報じて欲しいと思います。そうでないと政治家さんや官僚の方々は国民はお金を蓄えており、増税しても大丈夫だと誤った解釈をしてしまうかも知れませんので、宜しくお願い致します。