ホルムアルデヒドの蒸気に長時間曝された場合、濃度によって粘膜への刺激性を中心とした急性毒性があり、蒸気は呼吸器系、目、のどなどの炎症を引き起こし、いわゆる「シックハウス症候群」の原因物質のうちの一つとして知られています。高濃度のものを吸引すると呼吸困難を引き起こす有毒物質です。

一方で、適切な濃度に調製されたものは、接着剤、塗料、防腐剤などに利用されており、低濃度ながらも様々な食品に含まれています。また、体内でアミノ酸などの代謝により、常に血液中に存在する物質でもあります。ワクチンにも微量含まれています。

ここで注目すべきところは「濃度(量)」です。毒物と呼ばれるものの危険度を示す目安として致死量という数値もありますし、食品においても一日に摂取する食塩は○g以下、などと示されているものが多く存在します。

ワクチンの話に戻します。日本医薬品添加剤協会によりますと、一回の皮下注射で用いられるホルムアルデヒドの最大許容量は0.05mgです。一方、インフルエンザHAワクチンを例にしますと、一回のワクチン接種量0.5ml中に含まれるホルムアルデヒドは0.013mgで基準を下回っています。それに加えて、体内に取り込まれたホルムアルデヒドは速やかに代謝され、最終的に水(尿)と二酸化炭素(呼気)となって2日間で体内から排出されます。

反ワクチン主張者は、ワクチンに含まれる物質を調べことごとく毒だ毒だと言っていますが、含まれる量や体外排出に関する情報を完全に無視して人々の不安を煽っています。物事に対して疑問を持ち自分で調べることは大事なことですが、情報の信憑性には細心の注意を払ってください。