ー常永久ーシンイ二次創作 -72ページ目

ー常永久ーシンイ二次創作

☆信義-シンイ-の二次創作ブログ☆
(小説・イラスト・日記等)
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契約恋人㉑〘一応END〙





どうすればいい?


メヒは焦り気味に部屋をウロウロと歩き出し、スマホを手にし電話を掛けようとしたが再び下ろした。


こうなったら少し前に別居している母親に頼むしかしないと考えたが、彼女は既にこの国にはいず何処に行ったのかもわからなくなっていた。


「貴女もこの家にいると危険よ?私にはもう手に追えないわ」


そう言い出て行った母親をその時は内心嘲笑っていた。


でもこんな事になるなら私も出れば良かった、まさかタン家とチェ家が何の繋がりも無かったなんて知らなかった。だから父親は会社の株を買い製薬会社を乗っ取りその上でヨンとの婚約を自分にさせ繋がろうと狙っていたのだ。


「私は何も悪くないわ!」


全て父親が企み動いた事であり、自分の方こそ被害者ではないか?


そうよ、とクローゼットを開け服を出しているとベッドに置いたスマホが鳴った。


「・・・アン・ジェウク?」


スマホに耳を当てると彼の疲れきった声が聞こえて来た。現在アメリカにいるとの事だったが、仕事が無く更に妻にメヒとの関係がバレてしまい2人の空気も悪くなっているらしい。


関係が知られると結局は有名製薬会社にいる自分が好きだったのだと言われ、しかも自分の父親は不倫などは知らない為ただ助ける為に海外に出したのだがアメリカでもチェ製薬会社の騒ぎは知られており、そんな中辞めたアン氏を不審がり他会社の内定が中々貰えずにいるという。


「バカじゃないの?貴方がタン家を裏切ったからそうなったのでしょう?自業自得だわ」

『何だと?そう言う君も同罪だからな?チェ製薬会社の情報を他の会社の男に流していただろう?知らないと思ったら大間違いだからな』

「何ですって?」

『それともその男がライバル会社の人間だと知らずに付き合っていたのか?馬鹿な女だな』


その男はメヒがヨンの婚約者とは知らなかったらしいが、チェ家とタン家が仲が良い事は知っていた様で、

「あの女がいればチェ製薬会社の内部は何時でも知る事が出来る」

と酒の席で大口を叩いていたという。


知らなかったメヒは真っ青になり狼狽え始めていた。


チェ製薬会社のあの女傑に見つかったら自分もどうなるかわからない。今だに父親は全ての情報を遮断し雇った弁護士からの連絡だけをひたすら部屋に閉じ籠って待つ状況になっている。


少し前に叔父から連絡があり、

『メヒは兄と違い罪は軽い筈だ。今からでも謝りに行けばまだ間に合う』

と言われたが、違う。


チェ家の女傑は来るのは想定内なのだ。

少しでも罪を償わせ様と待ち構えているに違いない。


最初からヨンの婚約者としては不似合いだと思っていたのだろう、だからレストランでも断ってくれと言って来た。自分が違う男と付き合っていた情報も耳に入っていたのかもしれない。


「・・・貴方の近くにいると、私まで嫌な方向にしか行かないわ。私達の関係はここまでね」

『何?』

「まだ私には言い分があるもの。でも貴方には関係無い事だわ」


『はっ、まさかチェヨンが男性としての機能が云々という話か?本当にそうだったのか?会議室にあの女医師を連れて来ていたが手を繋いだりと女に寄り添っていたぞ?』

「え?」

『あの女も昔からチェヨンと付き合っていたと庇いやがって、おそらく関係を持ったに違いない・・』

「?!」

『最初からお前とは会う気は無かったらしい。気付かなかったのか?』



――そんな・・・。


アン氏の話にメヒは呆然と立ち竦んだ。


気付けばアンとの通話は切れていたが、そんな事はどうでも良くこの間の話は一体何だったのか?と困惑していた。


彼が何回も自分の身体の事を話していたのだから実際そうだったのだろう。なのに、あの女性には手まで握る仲睦まじさとの話に徐々にメヒは抑え切れない怒りが湧き開けていたキャリーバッグを力任せに蹴り上げた。


「“フラれて話せなくなるよりは”と言ったのに何よ!結局は諦めていなかったんじゃない!」


それが我慢出来ずに彼女を襲ったのだろうか?彼女は怒ったが彼を許したのだから流されたか許したかで、あの言葉も話も全てあの女性の話だったのだと今全てが繋がった。


淡い恋心から大人な関係になるまで2人の中で進んでいただけで、他は全く蚊帳の外扱いだった。

私では無くチェ製薬会社の親族になりヨンの妻になり、あの女が国内外で有名な会社の夫人の座を手に入れたのだ。


「チェ家に拘ったお父様が悪いのよ!」


口を歪ませギリギリと歯を食い縛っていたメヒだったが、暫く考え怒りで震える手でスマホを拾い画面をタップしたのだった――。










「ねえ、チェヨンは何時までソウル市にいるつもりなの?」


「え?」


三日程経った頃ウンスはソウル市にまだいるヨンに不思議そうな眼差しを向けて来た。


“お前の会社は大邱市だろう?”という表情にヨンは一瞬口を閉じてしまい、いや、と口篭ってしまう。

本社と連絡を取り合っていない訳では無いし、ソウル支社もまだある為帰る必要は無い。予約がかなりあるウンスに気遣い三日前以降何もしていないと思い、今日は自分のマンションに誘ってみようと浮き足立っていたヨンの勢いを制する様にウンスの正論が刺さる。


「・・・でもソウル支社にも部屋はあるんだ」

「ふーん?」

「今ソウル支社内が色々忙しいし、叔母さんも長くは来れないとの事なので」

「上層部もいるんじゃない?貴方どちらかといえば役職無いじゃない、大丈夫なの?」

「・・・そこは、大丈夫」

「なら良いけど」


再びウンスは手元のカルテに目を落としてしまい、何やら書き込み始め、ヨンは隣りの椅子に座ったままただその様子を眺めている。


そのうち視線に気付いたウンスは何?と顔を向けたがいいやとヨンは首を振った。


心配をしてくれるのはウンスの中に自分がいる証拠なのだと理解しヨンにはそれが嬉しかった。

よくよく考えると甘い雰囲気以外ではウンスはヨンに対して昔の様に友達感覚で接して来る。それが苦では無いし、あの頃に戻ったと喜んでいる自分がいるのだから意外とウンスから強く言われたい趣向なのだろう。それでもこちらを心配し色々聞いて来る優しい人でもあるのもまた昔から好きだった性格だと今更ながらに感じている。



「でも明日は帰るよ」

「え、そうなの?」


いきなりな言葉に目を丸くしウンスが尋ねると、



「・・・だから、今日は2人でいたい」

「・・・んー?」


ヨンの言葉を理解したウンスは少し口を尖らせ、ちらりとヨンを見る。


ヨンの目はにこりともニヤリとも言える笑みをし、彼が何を想像しているのかも何となくわかってしまう。



「俺の家に来て欲しいんだ」

「あー、まあ・・・」

「何?」

「いいえ」


彼のテリトリーの中に入ったらどうなるのだろうか?知らない訳ではないが、彼の勢いも少しは上がってしまうのかしら?

今が幸せなのは充分わかっている。

それに伴う様に、徐々に逃れられない何かに捕まっていく感覚になるのは不思議だとウンスは思う。



営業終了まで待っていたヨンはクリニックの後片付けをしている最中に外で食べ物を買って来ていたらしく、退勤したウンスを連れ真っ直ぐにマンションへと車を走らせた。



「そのうちユウンスに話す事があるんだ」

「話?」



だがその話はそれだけで終わり、

あとはヨンがウンスをどれだけ好きなのかを言葉と身体で知る事になったのだった――。













「・・・はぁ、メヒがですか」

「まあ、それは女性ながらの意見だからね、こちらがとやかくは言うまいよ」


「別にウンスに危害が無ければ問題はありませんが」

「彼女の叔父も姪が可愛いのだろう。若い女性が色々傷付くのは嫌なのさ」

「でも誓約書は書かせたのでしょう?」

「チェ家とユウンスには金輪際近付かない。チェ製薬会社の情報を外部に漏らさない。二つだけを書いて貰ったよ」

「充分です。ありがとうございました」


叔父にメヒから連絡があり、タン家と関わらないと決めた彼でも泣きながら訴えて来た唯一の姪に強くは言えなかったのだろう。

付き合っていた男性からは騙され情報を漏らしてしまい、アン氏の事は父親から頼まれただけだと言って来たという。


婚約者がいるのにも関わらず違う男性と付き合っていた事を知り叔父も驚愕したがメヒの悲惨そうな様子に彼女を責める事も出来ずただ只管(ひたすら)にチェ家へ謝罪をして来て、無関係な彼が再び頭を下げて来た事に叔母もこれ以上罪を犯さなければ良いと、契約書を書かせメヒとの事を終わりにした。


残ったメヒの父親だけはまだ弁護士を立て争う意思がある様で、メヒは人知れず田舎で暮らすか名前を変え海外に逃げるかの末路になるだろう。彼女の本来の姿は知る人だけが知れば良いし、これ以上チェ家に来る事が無ければそれで良い。



「とりあえず、ヨンは部署を纏め連れて行く社員を定めな」

「大丈夫です、もう決まっていますので」

「あぁ、そう。使っていなかった階があったからそこを使えば良いだろう」

「お父さん達が会社権限を叔母さんに譲渡したと聞きましたが?」

「製造部は兄さん達だったから、そこを渡されただけだで研究室総責任者は変わらず兄さん達で前と変わらないよ」

「なるほど」


わかりましたとヨンは椅子から立ち上がり、


「じゃあ、来週には移りますので」

「ああ、ソウル市の方が争いは激しいからね。

気をつけな」

「ウンスがいるので俺はもう前みたいに大人しくする気は無いです」

「そうかい」


そんな事は昔から知っている。


元々負けず嫌いで行動力があったヨンが数年間静かにしていただけで、やっとウンスと恋人になれた今、何時までも本性を隠しておく必要は無い。


既に雑誌などの取材依頼を受けそれを承諾しているヨンに叔母はやれやれとため息を吐いた。



「ウンスさんにも影響は出ると思うがね・・・ま、どうせチェ家の一族になるのだから大丈夫か」






『チェ製薬会社、話題の化粧品店が遂に江南区にOPEN!』


『今迄黙秘していたチェ製薬会社コスメ会社が始動。社長はチェヨン氏』


『プラチナコスメアワード大賞にも選ばれたあの化粧品が続々販売予定』


『ソウル支社の内部抗争の噂の裏では、新しい会社設立が動いていた!』


『化粧品会社社長チェヨン氏、初インタビュー』




「・・・何か、コソッと内部事情が漏れている感じも見れるけど、びっくりだわ」



雑誌やネットの記事にはチェ製薬会社の話題が溢れており、しかもヨンが雑誌のインタビューに応えた雑誌は即完売で増刊した程だという。

まさかの化粧品開発したのがチェ家のイケメン御曹司という情報はライバル会社よりも女性の目に直ぐ止まり、少しでも情報を知ろうと彼の周りには人が増えていった。


新会社もびっくりだが社長がヨンだともあのソウル支社丸々使う事も驚愕で、ウンスとしてはあの大きなビルの社長がヨンになるのかと呆けるしかない。



「確かに昔から人を纏める能力は長けていたわねー・・・ん?」


しかし、その記事の中の文を読みウンスは眉を顰め凝視した。


インタビューの中で在り来りな恋人や結婚についての問いがあり、彼は今は話すべきでは無いと誤魔化している。だが、おかしいのは彼が話す内容が微妙にウンスのクリニックの事を話している様にも見えた。



『――自分の意思を長く持っている人が好きですね――』

『――気に入ると自分から行く方なので、何かしら関わる物を送ったりします』

『――今自分が契約している場所も後にチェ家と関わる方ばかりなので、それは女性でも変わりません』

『――あぁ、ハハ、1人には送っていますが・・・まだ小さい会社ですからどうでしょうね?』




「いや、言ってるじゃない!」




仰け反りそうになったウンスはガタンッと動いた椅子を必死に抑えちょっと!と声を上げた。



――小さい会社?嘘を付け!



散々チェ製薬会社の社員も見に来てこのクリニックだって他のお客まで買いに来ているではないか。


チェ製薬会社のネームバリューで契約したのも継続希望したのも自分だが、既に江南区ではウンスのクリニックで販売しているのは知られているのだ。




途端、



クリニックの電話が鳴り、

ウンスが慌てて取ると、



『其方はユクリニックですか?実はチェ製薬会社について少しお話を伺いたく――』





ヒェーーー!!!




関係無いと伝え受話器を置いたが、直ぐ様再び電話が鳴った。

フロントにいたスタッフもどうした?と顔を出し、様子を伺っている。



彼が騒がれてもそこは自分がとやかく文句は言うまいとちらりと思っていた。


記事を読みモヤッとした感情はヨンと恋人になった変なプライドが出ただけで、大きな声を出すつもりは毛頭無いと決めたばかりなのに。


まさかこれとは。




きっとこれもあの男の考えだ。


何処まで次の策を練るつもりなのか。





「チェヨンーーー!!」





鳴り止まない電話と一緒に

ウンスの怒号がクリニック内に響いたのだった――。











【契約恋人】―終わり―



ヨン氏、また怒られ決定。



後にまだ少し続くのだけど、

ここで一区切り終わりなんですね。


ここまで契約恋人を読んで下さり本当にありがとうございました!

これは本来ジグザグ初期に考えていたものだったのですが、何となく中身が似た部分もあり(2人の喧嘩とか)倉庫に眠っていたものでした。

まだ少しありまして、そのうち出たらこれの続きかと思って下さいませね😊💕

(どうせ本領発揮したヨンしかおらんのだけど笑)


―――――









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