イ医師とウンスを追い掛け大邱市まで向かったヨンとキム医師。
イ家での騒動の後、ウンスの実家にヨンと訪れてから既に1ヶ月程が経過していた。
その間にもウンスのクリニックの経営は順調に進んでおり、ヨン達もまた何時もの忙しい病院勤務に励んでいた。更にチェヨンとウンスが恋人同士になったという情報と、とうとう彼は彼女の実家に挨拶に行った事まで噂が広まりこれのおかげなのかチェヨンの周りに纏わりつく女性達が徐々に減ってきたのも事実だった。
しかし。
「・・・何余計な事しているんですか?」
眉を顰め拗ねた顔付きのヨンを見たキム医師が、逆に驚き返してしまう。
「俺はチェ先生を助ける為に周りに話をしたんですよ?良いんですか?“また”別な女性が隣りにいる所をユ先生に見られても」
「・・・それは」
頭に浮かんだのは、
自分の周りに女性達が群がる様子を見たウンスの冷めた眼差しと、
「あらあら・・・でしたらご自由にどうぞ」
と言い、嫌悪感の眼差しで去って行くウンスの後ろ姿だった。
「それは困ります!」
「でしょう?先に広げておけば近付く女なんて・・・」
しかし、廊下を歩いていた2人を見つけた看護師達が何やら浮かれた様子で話している。
視線がヨンに向けられているのに気付き、キム医師はため息を吐いた。
「・・・まぁ、そういう場合もあるって事で」
「大丈夫かなぁ・・・」
「でもユ先生のご実家に行ったのは事実なんですから、嘘では無いでしょう?」
「はい、ちゃんとご挨拶もして来ました」
「へぇー!どんな方達でした?」
「穏やかなご両親で、ウンスさんは多分お母様に似ているのだと思いました」
明るい母親と静かな父親。
常に母親とウンスが話しそれを横から静かに見て微笑んでいる父親の様子とウンスの素の部分を知っていく事で心が高揚していたのを思い出した。
――良いな、自分も混ざりたいな。
入る事は出来るだろうか?
実家が殺伐としている訳では無いが、こんなに穏やかでも無かったと思う。
だがはるか昔に祖父母宅に行ったあの懐かしい感覚が蘇ったと言ったら、ウンスはどう思うか?と口には出さなかった。
『ごめんなさいねっ、どうせ田舎で』
拗ねてしまうかな?
嫌味でなく素直に暖かい気持ちになったのだが。
職員専用食堂で先に食べていた2人に遅れて来たイ医師が座り、何の話?と声を掛けて来た。
「いやいや、チェ先生とユ先生の話です」
「ん?」
「ユ先生のご実家に行ったという」
「ああ、あの時の。そういや、あの後何処かに泊まったんですか?」
「っ?!泊まっていませんよ、何言っているんですか?」
「・・・いや、先生こそ何考えているんです?」
目を瞬かせた後薄く笑うイ医師に確実に鎌をかけられたのだと気付き、更にあの後何も無かったのだと自ら吐く事になりヨンは苦虫を噛み潰した様に口を歪ませた。
――寧ろ自分だって泊まりたかった。
しかし、挨拶が終わったと同時に病院から緊急連絡が入りウンス共々そのままソウル市に戻って来たのだ。
チャンスだったのに。
・・・おっと、何言っているんだ俺は。
――あぁ、そういや、その前に。
いや、しかし――。
「・・・・・」
ふと頭に浮かんだ事にヨンは小さくため息を吐き出したが、それはイ医師達には見えてはいない。
「お昼も終わりますし、戻りましょうか」
キム医師の言葉に同意し、ヨン達が立ち上がり食堂を後にし、
他の職員達も午後の仕事へとそれぞれ向かったのだった。
『来月にまた美容関係のイベントがあるみたいなんだけど・・・チェ先生何か予定はあるかしら?』
「いいえ、ありません。行きます」
『本当?良かったわ』
「俺が都合悪かったらどうしていたんですか?」
『え?・・・誰かと一緒に』
「俺が絶対に行きます。ウンスさんを愛してますから。
・・・貴女は?」
『・・・私もよ』
「・・・ありがとう」
だが言葉とは違い、
ヨンはスマホを耳にあてたまま眉間に皺を寄せて
苦悶の表情になっていたのだった――。
(15)に続く
△△△△△△△
いやいや、お久しぶりです。
リアルが忙しく中々更新出来ず申し訳ございません💦
・・・え?
ここの話の補足は今は無いですよ。((( ꒪₃꒪︎︎)
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