誓約恋人㉔ | ー常永久ーシンイ二次創作

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誓約恋人㉔




「・・・これも送ったのですか?」

「はい、定期発注の中にリストがありましたので、送りましたが・・・駄目でしたか?」

「いいえ、大丈夫です・・・。ですが、これは俺の専属契約先なので次回は送らないで下さい」

「そうでしたか・・・すみませんでした」


しゅんと肩を落とすサラに、


「あー、そこまで落ち込まないで下さい。他の業務は彼奴らよりとても役に立っていますので」


ヨンの言葉に素早くトルベとトクマンの鋭い眼差しが向いたが、引き続きよろしくとサラに言いヨンはその場を離れた。


サラは眉を下げたままチラリとトルベ達に視線を向けると、大丈夫だよと明るい声を掛けて来る。


「社長は無愛想だけど褒めるのは本心だから、気にしないでね」

「ありがとうございます」


にこりと笑うサラにトルベとトクマンはヘヘッと照れた笑いを返した。



その様子を眺めていたチュンソクは、数日前から感じていた疑問をどうするべきかと悩んでいた。

彼女は確かに優秀な社員で彼女が入社してから事務が円滑に進んでいる。

不満は何処にも無い。

確かにそれが一番良い事だとわかっているが、何故チェ製薬会社の関係者の娘をこの会社に入れたのか?



そこをヨンに問うても良いのかもわからず、とりあえず今週末に本社関係者が視察に来るまで聞かずに待つしかないと持っている書類へと意識を向けたのだった。






サラは仕事が終わると大邱市の実家に必ず電話を掛けていた。


「最近、チェ社長とその女性が会っている所は見られないんだけど・・・」

『まあ、今はそんな余裕も無いのだろう。女性が店に来る事は?』

「来ていないわ。来なくても電話やメールがあるからそれで連絡を取り合っているんじゃないかしら?」



ある日サラは父親からチェ製薬会社の化粧品店の面接を受けてみないかと声を掛けられ、この会社が化粧品店を出店するという噂は聞いていたが、そこに自分が入れるかもしれないチャンスに二言目には父親にしたいと返事を返していた。


しかもその化粧品会社の社長は製薬会社の跡取りのチェヨン氏だという。


今まで会社の支社で営業をしていたらしく話を聞いた時は御曹司なのにと不思議に感じたが、面接を受け正面から見た彼の姿はサラが上辺だけの言葉を吐いた途端見破られてしまう程の圧を持ち、彼女は思わず萎縮してしまった。

それでも合格したのだから彼の中で自分は許されたのかもしれない。


そもそも彼に婚約者がいた事は婚約破棄の情報が回って来てから知ったが、どうやら父親達数人は微かには知っていた様だった。

そして既に新しい恋人もいるという。


――・・・婚約破棄したばかりなのに、もう恋人とは・・・。


余程自分に自信がある男だと思っていたがそうでは無く、


「彼の体質の問題で前回の婚約者は駄目だったのだ」


意味がわからないと首を傾げたサラに父親は、男としての身体の問題だと言いあのイケメンが?と少なからず驚いた。


しかし、次には、


「だが、彼が言うには今の女性なら大丈夫だという。そこがどうにも腑に落ちないのだ」


それは彼の好みの問題ではないの?

サラはちらりと頭に浮かんだが口には出さなかった。


「身近にいる場合といない場合で、彼の気持ちもまた変化していくかもしれない」


――・・・あぁ、そういう事?


その言葉で彼の化粧品会社に入る様促した父親の思惑に気付いた。


それでも、それを拒否しなかったのは何となくだが、自分もあのイケメン社長に惹かれたからだろうか?



・・・それに、今はもう大丈夫なのでしょう?


今の恋人とは仲良くしているとの話に身体云々の問題は無くなったのだろう。


あまり男性に媚を売るのは好きでは無い。


それでも彼に好かれる為に頑張ってみようかと

サラは思ったのだった――。







『週末なんだけど朝に迎えに行くので待っていて欲しい』

「いいけど、お店開店してるのに大丈夫なの?」

『それは大丈夫』

「・・・それより、聞きたい事があるんだけど」

『何だ?』


「あ、えと・・・」


無意識に言葉を発してしまい、出してからウンスはしまったと口を抑えた。

電話の向こうのヨンにはウンスが焦っているなど見えないのだから普通にすれば良い、しかしウンスが少し口篭ってしまった事をヨンは目敏く気付いた様だった。


『何かあったのか?』

「何も」

『嘘だ』

「あ・・・新しい社員って入ったのかしら?」

『元ソウル支社の社員達がいるし、中途採用で雇った者もいる。それが?』

「そ、そうよね・・・」


聞いていた話を忘れていたとウンスは焦った自分が恥ずかしかった。

だが、彼にこれだけは聞いてみたい。


「クリニックに納品する場合、チェヨンが包んでいた訳では無かったのね?」

『いや、俺がしているが?』


「・・・今回は違うけど?」


すると何かを思い出したのか、ヨンはあれか、と電話の向こうで声を上げた。


『今回は事務が勝手に送ってしまったんだ。次からはしないでくれと言ってある』


「・・・」


――・・・彼の指示では無かったのね。


ヨンの言葉に急激に機嫌が戻っていく自分がいる。


誤魔化す様に小さく咳をして、そうだったのと彼に返した。


『?、それが聞きたい事か?』

「そうね、他には無いかな」

『ふーん?なら良いけど』



暫くヨンと会話をした後、週末会う事を再び約束して通話を終了し、



「ほらもう、何も無いじゃない!私ったら・・・」



スマホを置いたウンスは、自分の頭もデスクに突っ伏し己の性格を恥じた。










週末ウンスのマンションまで迎えに来たヨンは何時もながらのスーツ姿で、最近では彼はこういう姿がよく似合うものだなどと思い始めそんな自分の気持ちに恥ずかしくなりながらも店に着くと――。



「初めまして、私はイ・サラと申します。つい最近ですがこの会社に就職しました。営業部の事務をしております」


「あ、・・・初めまして」


上階から店に下りてウンスを迎えてくれたチュンソクさんやトクマンさんの中に1人だけ若い女性を見つけ視線を向けると目が合ってしまい、向こうが慌てて頭を下げ自己紹介をして来た。


――・・・それじゃあ、この間の字は彼女の?


なるほど、見た目通りに可愛らしい字体だったし、チェ製薬会社の大企業に就職する程なのだからきっと仕事も優秀なのだろう。何故か高身長しかいない営業部の面々に挟まれ、細い身体が余計儚く見えてしまう程だった。


「あの、私はユウンスと申します。美容クリニックを経営しております」

「はい、お話は聞いています!」


そう言いサラさんはニコリと微笑む。



――・・・可愛い人ね。


自分がこの位の年はこんなにも可愛らしく笑えていただろうか?

トラウマと反骨精神で何時も眉を顰めていた気がする。


もう過ぎた事に対し今更文句を言うつもりは無いが、とりあえず原因のヨンにはこの先も付き合って貰うつもりと決めていた。


サラと会話をしているうちに店員と話をしていたヨンが戻って来て、今から上層部が来るという事を伝えて来た。

それを聞いた営業部の彼らは一瞬で消え、聞くと駐車場に入って来る車の誘導をするという。


無駄無く臨機応変に対応出来る彼らは、はたして営業部だけで良いのかとウンスがヨンに伝えると、


「褒めていたと伝えておくよ」


彼は嬉しそうにそう話した。



「ところで、サラさんて方可愛らしい方ね」

「事務の?元は大手化粧品会社にいたらしい」

「そうなの?凄いわね」


会話をしながらヨンと店前に出ると丁度駐車場から数人の男性達が来て彼らはヨンを見付けるやにこやかに話し出し、その姿はとても好意的に見えたが彼の新店を偵察しに来たのだと直ぐに感じ取れた。


――・・・まだソウル支社が無くなったばかりだものね。


ヨンの邪魔をしない様に移動しようとしたウンスは、サラもまた所在なさげに1人佇んでいる事に気付き声を掛け様とした。



だが――。




「あぁサラ、仕事はどうだい?」


「営業部の皆さんが親切に教えてくれるので少しずつ慣れてきましたし、本当にこの店に入れて毎日が楽しいですわ」


「それは良かった。チェ社長、これからもサラをよろしくお願いします」






――・・・・・・・え?





名を呼ばれヨンや上層部の輪の中に入って行くサラを

ウンスは唖然と見つめていた――。








㉕に続く

△△△△△△



長いので途中で一旦切りました💧

まあ、サラの父親も来るとは思っていた。👉





🐥🐥🐥🐥🐥🐥


私事ですが・・・。

・・・いやー、熱が出てまさかと思い検査したら

今更ですが陽性反応が・・・。

今までなってなかったのに、何故今更・・・💦

まだマスクもアルコール消毒もしていたのにな。

・・・わからないものですね💦

とりあえず今まで無かった連休が貰えたと思い

ゆっくりしたいと思います😊

(キーホルダーのイラストも描きたいし✨)

皆様も休める時は休んで体力温存して下さいませね🌺


🐥🐥🐥🐥🐥🐥🐥







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