※ここからは、原作と少し違う展開になります。
原作が好きという方は違和感を感じるかもしれません。それでも良いよという方はお進み下さいませね(*´`)
⑪=愚者
意思の強そうな黒い大きな目と長いストレートなヘアスタイルは、細く無駄に脂肪が無い体型の彼女によく似合うと思った。
自分の様に細く軽く見えてしまう髪を誤魔化す為に、ヘアカラー等しなくても大丈夫なのだろう。そんな事をぼぅと考えていると、返事をしないウンスにその女性は再び問うて来た。
「貴女がユさんですよね?」
「・・・え、ええ」
――・・・貴女は誰?
ウンスのきょとんとした眼差しでわかったのか、その女性は目を薄めると、少し眉を下げ可愛らしい顔を見せて来る。
「実は私はチェ製薬会社の社員で、チェヨンの事で少しお話がありまして・・・」
「チェヨンさん?」
あぁ、やはりあの人の関係者だったか、と心内でため息を吐いた。
・・・ブースを少し周り帰りたかったんだけどな。
先程約束した男性にも会っておきたかった・・・。
「でも、私彼の事よくわかりませんので何かを答えられるかは・・・」
「そうなんですか?」
さも意外だと言わんばかりの声にウンスは眉を顰める。
――・・・本当に知らないんだけど。
「貴女の名前を聞いていたから、てっきり既に付き合ったものだと・・・」
「・・・それは無いですね」
この女性の話もよくわからない。
チェヨンが会社で私の名前を出しそんな話をしたのだろうか?
熟おかしな人だわ。
「へえ?」
女性はウンスを先程からずっと見つめて来ている。
その眼差しは好意的で無く、ウンスの言葉を信じていないのもわかっている。だが、本当に自分はチェヨンとはカフェとレストランでしか会話をしていないのだ。
・・・あぁ、初めてはあの食事会から攫われた事だったが。
彼女は綺麗に引かれたアイラインの瞼を少し下げていたが、顔を上げ再び向くと、
「誰かに聞かれるのは少し・・・宜しければ外でお話しませんか?」
「外、ですか?」
「まだ外も暗くないですし・・・。
・・・あそこの奉恩寺に行きませんか?」
ウンスの言葉に彼女はB1ホール入口からガラス窓の外を見ると、
コエックスの正面入口から見える奉恩寺を指差した――。
⑫に続く
☆☆☆☆☆☆
0、愚者
正位置=無邪気・冒険家・自由・楽天的
逆位置=夢想・愚行・無計画・無謀
次が長い為に今回は短いです。
そしてコメントも閉じています。
次は長いですが、アメ限ですよ・・・。
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