あの場所でもう一度(18) | ー常永久ーシンイ二次創作

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あの場所でもう一度(18)




やはりヨンが不安に感じていた通りに、次の日からウンスはヨンを避け始めた。

昼間病院であまり会わないのはウンスが敢えて、外科の近くに寄らなくなったのだと気付いたが。

それよりも・・・。



「今日も来ていないですね」
「・・・・・」

コーヒーショップに既に来ていたキム医師に聞くと、先に帰った筈のウンスが店には来ていないという。つまりはそのまま帰ったのだろう。
きっと、ヨンが来ると思い入らなかったという事で――。

「・・・俺帰ります」
「え、ちょっと、チェ先生待って下さいよ!」
ヨンが暗い顔で立ち上がり、キム医師は慌ててヨンを引き止めた。

「俺がいたら、彼女はきっと来ないと思いますので」

自分が来なければ、彼女は再び通うだろう。自分が悪いのだからいる資格が無いのはわかっている。
ヨンは自分の鞄を持ち店から出ると、丁度入ろうとしたイ医師と鉢合わせになり、驚いたイ医師だったがヨンの顔を見て落ち着いてと肩を叩いた。




「・・・まぁ、大まかな事情は知っていますが、・・・兎に角、ユ先生に謝ってもダメなら怒りがおさまるまで様子を見るか・・―」
「様子を見ている間にユ先生が辞めてしまうかもしれませんし・・・」
「確かに」

再び店内に戻ったヨンとイ医師は三人で話し合いを始めていた。イ医師はふむと顔を道路に向けて、何か考えている様で――。

「・・・あの女性から、また何か連絡は?」
「・・・メヒ?いいえ」
「諦めたのかな?」
「さぁ、でも来てももう戻る気は更々ありませんし・・・それに、ユ先生に言いましたから」
「ユ先生?・・・何を?」

「・・・まぁ、・・・好きだと」
「ッ、え?!―ッ」
「おー」

そこまでは知らなかったと、キム医師は声を出すのを耐え目を丸くして驚いたがイ医師はふむふむと頷いた。
しかし告げたヨン本人は更に暗い顔になっていく。

「・・・でも、“止めてよ”、と速攻でふられ逃げられました」

「・・・・・」

「・・・まぁ、言いそうかな、うん」

――・・・まさかチェヨンが告白して、即ふられるとは。

キム医師は気まづいのか顔を俯かせてしまい、予想は付いていたのかイ医師も冷め始めたコーヒーを飲んだ。曖昧な事をあまり言わないウンスは、おそらく今は断るだろうと安易に想像がついた。
しかも今はクリニックの事しか頭にないのだから、幾らチェヨンに告白されても軽い気持ちで受けはしまい。

そんな二人に暗い顔を向けたヨンだったが、その眼差しは何か疑問があるのか顰められている。

「・・・前に自分がタイプでは無いと言われていたので、そこは覚悟していましたし急いだ自分が悪いです。だけど、別な理由もあるのかもしれないと思って・・・自分はそんなのにはならないと・・・」

廃墟前で言った事、告白時に言った言葉をヨンはずっと不思議に思っていた。
何かトラウマがあったのかもしれない。


「・・・あー」
ヨンの言葉にキム医師は何かを思い出したらしく、気の抜けた声を出した。

「・・・大学生時代のじゃないですか?好きな先輩がいたんだけど、そいつがクズで頭の良い女生徒達に自分のレポート等を書かせていたんですよ。それのウンス先輩も被害者で」
「何だそのクズは」
「・・・・・」
「まぁ、既にそいつには彼女がいて?ウンス先輩が激怒していたのは見た事あります。」
「そりゃ怒るだろうな」
「でも尊敬していたし、憧れもあったのかも。
・・・まぁ、ウンス先輩の淡い恋心を利用した最低野郎ですかね」

大学を卒業したその男は彼女の家の援助で、何処の大学病院に就職したと聞いたがその後は聞いていない。
しかし、ソウル市内でもあの男の名前は聞かないのだから、自らの才能で上がる事は出来なかったのだろう。
近くにいなければ、ウンスもまた傷付く事は無いのでキム医師は気にもしていなかったが。


「・・・あぁ、だからか、わかりました」

何かを納得した様でヨンは口に指をあてそう呟いたが、先程の沈んだ瞳では無くなっている。そんなヨンの表情を見ていたイ医師は、とりあえずと話し出した。

「・・・ユ先生はチェ先生の事だけでは無く諸々があり、避けている訳で前みたいになりたいのなら自分の誠意を見せれば良いだけかと」


――誠意か。

ヨンは少し間の後、わかりましたと言い椅子から立ち上がった。

「ありがとうございます、ユ先生に伝わるまで頑張ります」
そう言い頭を下げヨンは店を出て行った。


「わぁ、チェ先生、ウンス先輩が好きだったんですね〜?知らなかった!」

「・・・いや、キム先生、気付かない方が不思議だよ」

既にヨンが病院に来た時からウンスを意識していた。ライバル視している様で、彼女の動向を気にしているのかと思ったがそうでは無かった。
結局は自分を見ないウンスに見て欲しかっただけなのだ。話す様になった途端更に彼女の行動を見ていたし、気遣う様になっていた。あれで何も思っていない等と思う訳が無いのだ。


「・・・あ、でもチェ先生どうするつもりなんだろうな?」


まぁ、同じ外科なのだからそのうちわかるだろう。

イ医師は残っていたコーヒーを飲み干した――。






「・・・キム先生?貴方もしかして余計な事彼に言ってないわよね?、ねぇ?」

「・・・・え」


数日後、美容整形外科のスタッフルーム内で身体中に怒気を纏ったウンスがキム医師を壁に追い詰めていた。






(19)に続く
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何をしているのか、ヨン氏は?汗



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