あの場所でもう一度(15)
「どうでした?楽しかったですか?」
「楽しかったですよ、俺も沢山貰って来ました」
「・・・マジですか?」
まさか、ウンスと同じ事をヨンもしていたとは。
――やはり二人は似た者同士なのか?
イ医師もウンスの付き添いで行った事はあったが、流石に2回目で自分は離脱した。
全くウンスが先に進まず、横で待っている自分が逆に疲れてしまうのだ。
最終的に近くのベンチに座って帰って来るのを待つ始末になっていた。
「・・・チェ先生、良かったですね。きっとそのうちまたユ先生から誘いが来ますよ」
「・・・え?」
ニッと笑うイ医師の笑顔を、素直に受け取って良いのか何なのか。
あぁ、この先生が一番侮れないんだったな。
だが、ユ医師が自分を誘ってくれるのは、
――悪くない、うん。
「実は次回の招待券も頂きました」
「おぉ、素晴らしい!」
頑張って下さいね、とイ医師はヨンの肩を叩いた。
この応援はどういう意味なんだ?、と思いながらも悪い方では無い事だけはわかる。
「・・・ありがとうございます」
とりあえずユ医師と和解も出来、関係が良い方向に行っているのだ、それは維持しなければならないとヨンは考えていたのだった。
「・・・どうしてユ先生が、チェ先生と仲良くなったのですか?」
「はい?」
「この間二人が漢江の公園近くを歩いていたって聞いたんです」
「あれは、ただの―」
「最初チェ先生の事嫌っていませんでした?」
「しかも科も違いますよね?」
「少し前にイ先生と付き合っているという話もありましたが・――」
「・・・・・」
ウンスは廊下を歩く度に違う科の女性スタッフ達から呼び止め質問をされ、スタッフルームに帰って来る頃には疲れ切っていた。
あぁ、そうか、この間の歓迎会を見ていたじゃない。
どうして忘れていたのか?
自分が敢えてあの集団に狙われる様な事をしてしまったなんて。
下手するとチェ先生を狙う一人と思われてしまったのかしら?
「えー?そういうつもりでは無いんだけど・・・」
でも彼の本音を聞いて、出掛けてみると苦手だと思っていた彼が一番気が合うのではないか?と思い始めてもいて、次回のイベントに一緒に行くという彼のにこやかな顔にウンスも少なからず嬉しかった。
・・・うーん、人としては全く問題無かった。
しかし、彼が歩くと周りに女性達が集まって来るのか・・・。
・・・そういう現象は何と言うんだったかしら?
「・・・彼、フェロモンとか出しているんじゃないの?」
「さっきから何ぶつぶつ言っているんです?」
ウンスがうんうん悩んでいるのを見つけたキム医師が近付き、ウンスの隣りのデスクに座り尋ねて来た。
「・・・何ていうか、チェ先生がいかに人気かを思い知ったというか」
「・・・あぁ、チェ先生を狙っている女性達ですか」
ウンスの曇った顔に何か言われたのだろうとキム医師は気付いた。
だが、ヨン本人が煩わしい態度を見せているのにも関わらず彼女達は中々離れないのだ。彼の様に将来確実エリートコースを歩くとわかる男性をそう易々と諦める訳が無いのは当たり前の事ではあるが。
・・・羨ましい様な、可哀想というのか・・・。
「そんなつもりは無いんだけど・・・」
「解決策はチェ先生が彼女作れば良いんだろうけど、作る気無いからこうなっているのだと思いますが」
「え?いたじゃない、綺麗な女性が」
「あの人昔のモデル仲間らしいですよ」
「はぁ・・・」
イ先生が教えてくれましたとキム医師が言い、ウンスは気の抜けた声を出してしまう。
・・・モデル仲間。
なるほど、この前のイベントといいやはり彼は業界によっては有名な人の様ね。
知り合い関係も何て華やかなのか。
彼が進む道に挫折という言葉は無いのだろうか?
順風満帆に人生が進んでいる彼が本当に羨ましい。
――いや、でも自分にはまだ夢がある。
クリニックは、クリニックだけは絶対に叶えたい――。
「・・・まだ来てないな」
珍しくヨンが早くコーヒーショップに着き、まだ誰もいない店内を見渡した。
とりあえず席にいようと奥の席に座ると、
「あぁ、やっぱりいたわ!」
声に一瞬止まり、
テーブルに近付いて来た人物に目だけを向け少し眉を顰めた。
「・・・・メヒ」
「何回もメールや電話しても取らないんだもの。前にこの店の前で会ったでしょう?来るかと思っていたのよね」
「いや今、人と待ち合わせしているんだけど」
「まだ来ていないんでしょう?少し話がしたいの」
「・・・わかった」
ヨンは小さくため息を吐き、ちらりとスマホの時刻を確認し了承すると、
その反応にメヒは微笑み正面に座ったのだった――。
(16)に続く
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お店で待っていたらしい・・・?( °◊° )ワァ...キケンナテンカイヨ
途中で切りました。
続きはまた夜に・・・💦
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