鈴の鳴る方へ(23)
朝になり今日が土曜日で良かったとビンは思ったが、止まないため息を昨日からずっと吐き続けていた。
本当は天気が良ければ、ウンスとヨンの三人で生活に足りない物を買いに行く予定になっていたのだが、
・・・まぁ、今日は無理だろう。
あのウンスの落ち込み具合からすれば、今日一日は部屋から出て来ないかもしれないな、等と考えていると玄関のドアが叩かれた。
「・・・・・」
ドアを叩く力具合で既に誰なのかを把握しているビンは、また来たかと腰を上げ玄関に向かって行くと。
「チャン先輩、入れて下さい」
「・・・全く、・・・どうぞ」
仕方ないと、玄関のドアを開けるとヨンが立っていてビンは軽く首を横に向き入れと促した。
「・・・ウンス先輩は?」
「来ていませんよ。自分の部屋にいます」
何時もここにいる訳無いではないか、ビンの部屋は集合場所では無いのだ。
「昨日ウンス先輩の部屋に行ったんですよね?何か言っていましたか?」
「・・・何か。・・・まぁ、今日は行かないとは言ってましたかね」
「そうじゃ無く」
ソファーに座ったヨンが、ジッとビンを睨む様に見て来るのをビンは横目に黙ったままコーヒーを作っていた。
ヨンは自分がウンスの部屋に入れない事と彼女がビンには話をしている事が悔しかった。
胸の奥が焼ける様にじりじりとし、胸やけ状態の気持ち悪さが昨日から治まらない。
これが嫉妬だと思う。
しかし、ヨンはビンからどの位?と聞かれてから自分がウンスに対しての気持ちの度合いを考えてもいた。
「あの少女は少し勘違いをしているのでは?と思ってね・・・」
「メヒですか?」
「ええ。彼女はウンスが君を唆かしたかしたとでも思っているのかもしれない」
ウンス先輩が自分を誑かす?・・・いいな。
口元が少し緩んだのをビンが目敏く見つけ、キロリと睨んで来て、おっとと、小さく咳をして口元を引き締めるとビンの顔を見た。
「・・・メヒは母親が小さい時に亡くなって、師匠が1人で育てていたんです」
「・・・そうだったんですか」
あの眼差しは、少女というよりも少し大人びいて見えていた。なるほど、あの少女も特別な環境で育って来たらしい。
しかしだからといって、ウンスを責めるのは違うと思う。
内容を詳しくは聞いてはいなかったが、あの少女もチェヨンを好き故のウンスに対しての行動だとわかっている。
「・・・俺はメヒを妹みたく思って接して来たので・・・」
「そうですね。君に甘えているとも見えました。」
まだ少女も幼く彼も10代で、キッパリとは強くは言えないのは仕方ない。
「・・・ウンスは・・・大丈夫ですよ」
「どうしてそう思うんですか?」
「・・・考え方が君達とは違いますから」
「・・・・・」
またビンの誤魔化す様な物言いに、ヨンは眉を顰めた。
・・・偶に出る彼らの、空気は何なんだ?
その度にヨンは疎外感を感じてしまう。
だけど、ヨンにウンスが優しく接して来ているのもわかり気にしない様にしていたのだが。
「・・・聞きたいんですけど」
「私に?」
何か?と言うビンに真っ直ぐヨンが見つめて来た。
「チャン先輩はウンス先輩を好きなんですか?」
「・・・・・ふっ」
くだらなすぎて思わず笑ってしまった。
貴方が牽制したのではないか。
知って尚動く程、私は愚かでは無い。
しかし。
「当たり前じゃないですか」
「・・・ッ?!」
ニヤリと強気に笑うビンを見てヨンは驚いた。
(24)に続く
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え、・・・ビン氏何か考えてる~(_Д_)?ハ~コワ
ビンVSヨン再び・・・
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