鈴の鳴る方へ(20) | ー常永久ーシンイ二次創作

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鈴の鳴る方へ(20)




小さい頃は、道場で剣術や武術を学ぶのが楽しくて毎日の様に通っていた。

「師匠みたくなりたいなぁ」
「ヨンなら直ぐ追い付けるよ」
道場の皆は、ヨンは武術の才能がある、何時かはこの道場の師範にもなれるだろうとも言っていた。
きっとこの名前も彼には合っていたのだと。

「この道場で師範か。・・・格好いいな」
「私もいるから、まだまだ道場も終わらないと思うから」
ヨンの得意気な笑顔にメヒも嬉しそうに隣りで話をし、ヨンは師範かぁとまた呟きそんな響きに浮かれにんまりと口元を綻ばせた。


――しかし、その考えが少しづつ揺らぎ始めたのは中学生になってからだった。

また引越しで近くに来て通い始めたヨンは確かに他の兄弟子達よりも上達するのが早く、大会でも優秀な成績を修め始めていた。
しかし師匠やメヒの期待度が高くなる一方ヨンは道場に向かう足が重くなっていて、自分の上には何人も先輩がいて素質もあるし決して弱い訳では無い筈なのに、師匠のヨンに対する扱いと先輩達に対する接し方が微妙に違うと感じて来たのだ。

そしてヨンは気が付いた。
師匠も自分に道場を継がせ様としている事に。

一人娘のメヒと自分を結婚させ様とでも考えているのだろうか?

そう考えた途端、何故か道場に通う熱が一気に冷めてしまったのだった。勝手に自分の人生を決められた様に感じ、ヨンは怒りにも似た感情さえ湧いてしまっている。
それでも兄弟子達の様子を伺いながら通っていたが、そのうち空気を察した何人か辞めてしまった。
ヨンはその道場内の雰囲気も感じ取り、とうとう通うのを止めたのだった。

「俺が道場を継ぐだなんて言っていないのに・・・」

強くなりたかっただけだった。
誰かに指導する立場になっても良い。
しかし、既に誰かに決められた場所とは思った事も無い。

――また俺は動けないのか?
心の奥底で誰かが叫んだ気がした。



「連れて来なかったですよ」

ヴィラの建物の玄関前に立っているビンがヨンの背後を注意深く見ていたが、ヨン一人だけだとわかりビンは身体をずらせヨンを通した。

「もう厳しいですね・・・」
「当たり前です」
ビンはヨンの前を歩き顔だけを少し後ろに向け、冷めた眼差しでヨンを見る。

「私はどうにもあの子は苦手です」
「・・・はぁ」
まぁ、好き嫌いがあるからな。

「自分に自信を持っている目です。
・・・本当に何時も思うのはどうしてそんなにも自分を信じられるのか?・・・それが強さに変わるのかもしれないですけどね」
「・・・はぁ」
彼は一体何を言っているのか?メヒの事だと思ったが、途中から違う様に感じ返事もし難くなる。

「・・・私は、真っ直ぐ前は見れない人間です」
「ん?」
「おそらくウンスも・・・」
・・・ウンス先輩?何故?

「なので、あの子は近くに来て欲しくありません」
「ここには来させませんよ」
「なら良いですけど」
ビンは顔を前に向け階段を上り始め、その後は何も言わず自分の部屋に入って行った。

ヨンは一番端にある自分の部屋に入る前にチラリと今来た廊下を見て、消えたビンの部屋の扉を見た。
部屋数が多い彼の部屋は階段を上がって直ぐの場所で、男子学生達の通りが必ずわかる場所だとも言える。

「・・・どうして、俺の部屋は端なんだろう?」

それさえも彼が何かを考えている様に感じ、ヨンは怖っ、と呟き部屋に入って行った――。



「・・・余計な話をしてしまったか?」

ビンはソファーに座り腕を組んでうーんと顔を上げた。今のヨンは迂達赤隊に来る前の彼だったのだろうか?とビンはふと考えてしまう時がある。
見た事が無いヨンに自分もウンスもまだ戸惑いが無い訳ではないからだ。そして、あの少女もまたそうだったのかもしれない。
だからか、ウンスはどうにもあの少女に関わりたく無い様に感じた。

「仕方のない事か」

自分は昔から真っ直ぐ前等見ていない。
全てに対し、疑う事から入っていく人生だったのだから・・・。

そう言ったら、あの“彼”はどう言うだろうか?

少しは考えが変わったりしているかもしれないな――。




(21)に続く
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ヨン君が道場を辞めた理由。(メヒちゃんは確かにわからない...)

中身はチャン先生だからね...考えてますよ。





まだ平和だ......。



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