鈴の鳴る方へ(16) | ー常永久ーシンイ二次創作

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鈴の鳴る方へ(16)



ヨンが言うには明日の早朝にトラックが来るらしい。

「自分の部屋の物しか詰めませんから、そんなに無いんです」

そう言いながら案内されたヨンの家の中は家族三人で住んでいる割にはとても広い部屋だった。アパートなのに天井が高く、短いが階段迄あり上にも部屋があるのだ。
「チェヨンの父親は外資系企業に務めているんですよ」
以前ビンが教えてくれた情報を思い出し、ウンスははーと口を開け部屋内を見渡してしまう。
ビンの家も凄く大きく広かったが、こうも裕福層の差は違うのか?とウンスは自分の実家を思い出した。
中間層のウンスの家がとても小さく見える。

確かにこのアパートも高級住宅地に建っていて、金額もとてつもなく―――

「ウンス?」
ビンの言葉にハッと我に返り、おっとと頭を切り替えた。いかんいかん、頭がすっかり昔の私に戻ってしまっているわ。部屋の広さや土地価格で金額を割りだそうとする強かなウンスが偶に出て来てしまい、全くもって可愛く無い女になってしまうとウンスは気を付けていた。

「嫌ねぇ、この差が何時でも変わらないというのは・・・」
何となくウンスの言いたい事はわかり、ビンは肩を竦めて苦笑した。

「でもウンスのお家は皆仲が良くて楽しくて、私は羨ましかったですけどね」
「あれは、皆と言うよりお母さんの影響よ」
仲良いというより騒がしいユ家で、チャン先生が来た時に呆れなかったかと心配になっていたのだ。

しかし、そんな二人の会話にヨンが素早く反応し、ウンスとビンを交互に見ていたが何故か拗ねた顔になりプイと顔を逸らしてしまったのだった。



「・・・うーん、確かに少ないわね」

ヨンの部屋に入ってウンスとビンはヨンが仕分けしておいた荷物を見て、本当に大丈夫か?と思いヨンをまじまじと見てしまう。
それ位少ないのだ。

「着替えは洗えば良いし、勉強道具とある程度の日用品があれば・・・」
「外に出掛ける時は?」
外に出掛ける・・・、ヨンは少し考え普段着で良いんじゃないですか?と言って来た。

「・・・ッ、ク」
ビンは笑うのを耐えている様で、ウンスも懐かしい様な、しかし今はそれでは駄目だろうと悩んでしまった。
こんな考えで、よく彼女を作ったものだわ・・・。
身の回りの物に無頓着なのは、遥か昔から変わらないのか?

「とりあえず、もう少し多めに入れて行きましょう!遊びに行きたくても服が無いなんてなるかもしれないわよ?」
「ウンス先輩も遊びに行ったりするんですか?」
「え?買い物とか行くわよ?でもお金はそんなに無いからお小遣い切りつめながらだけど」
「映画とかは?」
「行く。私恋愛系とか好きなのよねぇ」
「だったら今度行きませんか?」
「・・・そ、そうね、えー?」
ヨンから誘われウンスが断れる訳が無く、それでも戸惑っているウンスにヨンは眉を下げしゅんと肩を落としている。
「・・・何時も一人でつまらなかったので」
「・・・ーッ、行く!」

悶えそうになる身体を耐え、ウンスは笑顔をヨンに向けて返事をした。彼の眼差しはウンスは昔からとてつもなく弱く、あの澄んだ瞳にいくつもの悲しみや辛さを閉じ込めて来たのかと思うと、ぎゅっと胸が締め付けられてしまう。

あぁ、今世でもそんな瞳はして欲しくない・・・!

「良かったです!」
ニコリと笑って来るヨンにウンスもヘヘッとはにかんだ。

「・・・・・」
ビンが荷物から視線をヨンに向けると、ヨンは何故かビンを見て口角を上げている。ウンスが承諾したのだからそこは何も言わないが、彼の何に対してなのか勝ち誇った顔をしているのが、何とも呆れてしまう。

・・・いや、それは大丈夫なのか?
ビンが不安に思うのは、ヨンでは無くウンスに対してだった。
待っているのではないのか?
何時の彼が来るのかわからないが、何時かは目覚める筈だと思うのだが。

―・・・戻って来るのがあの“彼”だったら、ウンス、いや医仙は大丈夫なのだろうか?
確実怒る・・・か?怒るな、うん。隊長だからな。

「でも出掛けるなら引っ越し落ち着いてから、次のテストが終わってからでお願いします」
テスト?まだ二週間後じゃないか?
舌打ちはしなかったが、ヨンは先程迄勝ち誇っていた顔を怒らせビンを睨み付けて来る。

・・・だから、魂胆が丸見えだと言っているでしょうに。
行動が早すぎて下心が見え見えなのがわからないのだろうか?

「・・・若いねぇ」
「何か?」
「いいえ」

二人共荷物を箱に入れ顔を見合わせてはいなかったが、鼻で笑うビンと、ピリピリ冷たい空気をビンにぶつけるヨンと、どうしようかなー?と少し気分が浮かれ始めているウンスがいるのだった。




ピンポーン。

玄関からチャイムが鳴り、ヨンは誰だ?と顔を二人に向けた。

「私達は二人だけよ?」

「・・・誰だろう?」

ヨンは頭を掻きながら、不思議そうな顔で玄関に向かって行き、二人も何だ?と階段から下を見下ろした。


「どうして?引っ越して来たばかりなのに、学生寮に行くなんて!」

可愛らしい女の子の荒らげた声が聞こえ、二人は顔を見合わせてしまう。
「新しい彼女?」
「そんな訳無いでしょうよ」
だったら学生寮へは来ないし、此方も迷惑だとビンが話していると、

「私も学生寮に行きたいわ!」
「何言ってるんだよ、メヒはまだ中学生だろう?無理だよ」

――――メヒ?


「・・・・・・あ"っ!!」
「・・・・まさか」

二人が焦りながら、体勢を低くして階段を少し下り玄関を見ると――。
玄関にはすらりと細い体型で足も長く、黒髪を旋毛辺りで縛って長い髪を靡かせている目の大きな女の子がヨンを睨んでいた。


『ヒーーーッ!!』

声にならない声を上げウンスは階段にへばりつく。
ビンはよろめきそうになるウンスの背中を支えながら、ヨン達に視線を向けていた。

「・・・そこ迄は調べていなかったな」
「あわわわ・・・」
「ウンス、落ち着いて」
「無理無理!」
昔だってその話は聞いていた。しかし既に彼女は鬼籍に入っていて、ヨンの心の中で彼女は眠っているのだとウンスはそのヨンごと好きになったのだ。


――・・・しかし。
今は違う。生きているもの!


真っ青なウンスにビンははぁ、とため息を吐いて仕方ないと立ち上がった。
「チェヨン君」
「はい?」
「ウンスが少し具合悪くなりました」
「え?!」

慌てて階段に向かうヨンと待ってよ、とそれを止めるメヒという少女。
「今日中に荷物纏めたいから、後で来てくれよ」
そう言われメヒは言葉を止め、階段を見てビンの顔としゃがんでいるウンスを見ていたが、わかったと返事をして出て行った。

「ウンス先輩、大丈夫ですか?」
・・・疲れましたか?


心配そうに聞いて来るヨンを見上げ、ウンスは力無く笑うしかなかった――。





(17)に続く
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次が直ぐ来た笑。ヨン君映画興味無いのでは?アレー?
ウンスも戦うしか・・・早よ教授よ・・・(--;)


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