鈴の鳴る方へ(14)
チェヨンが彼女と別れた。
週明けには学校中に広まっており、廊下や教室の中でもその話でもちきりになっている。
「どうして?」
「わからないわ。いきなり別れてたみたい」
「彼女は?」
普通は泣いてしまうだろう。
しかし、その彼女はすんなり承諾し別れてしまったという。どうやら、彼に誤魔化していたものがバレてしまったという事だった。
「・・・可愛さだけでは無理だったか」
「中々手強いわ、チェヨン・・・」
それを聞き、他の女子生徒も作戦変更をしなければならないと心内で考えていた。
「・・・あれ?チェヨンは何処に行ったの?」
・・・だが、当の本人はというと教室にも学食室にもおらず。
「何時もウンス先輩てここにいますよね?どうしてですか?」
「校舎の間に挟まれている割には、ここは日当たりが良いし・・・て、チェヨン君、貴方お昼は?」
「学食はさっさと食べて来ました」
「あ、そう・・・?」
本当に?
ウンスが学食を食べ終わり、中庭に来ると既にチェヨンが座っていて何事か?と慌ててしまったのだが。
「今週末には学生寮に入ります」
「そうなの?・・・引越し準備が忙しそうね」
学生一人で引越し準備をしなければならないだなんて。ウンスが眉を下げて見上げると、そんなに荷物が無いからと笑って返して来た。
「・・・あ、でも誰かがいたらそれはそれで助かります。もし、良かったらウンス先輩、家に・・」
「――へぇ、では、二人で手伝いに行きましょうか?」
暇だし。
ウンスに向けていた顔をゆっくりと横に向けると、いつの間に来たのかチャンビンが飲み物を持って立っていた。顔は目を薄め口端を上げていたが、眼差しは冷たく呆れた空気を放っている。
「あぁ、チャン先輩は別に・・」
「行くに決まっているでしょう。何言ってんだ?」
とうとうビンも、は?と眉を上げ睨んで来た
何ウンスだけ家に呼ぼうとしているんだ?本当に最近の子は早過ぎる。
見た目はあのヨンなのに、何と行動力の早さよ。
建物の影から見ていた頃が懐かしく感じてしまう程だ、とチャンビンはため息を吐いた。
違うか。もしかしたらこれが彼の本来の姿かもしれないな、等とビンが遥か昔の思い出に浸っているとそんな彼を無視しヨンはどうですか?とウンスに聞いて来た。
「手伝い?別にいいけど・・・」
今の彼はこんな人懐っこい性格だったかしら?
昔の彼は、自分の懐に入れた者に対しての甘さは結構あったが、今世の彼はまだ図書室でしか話していないが真面目な子だと思っていたのだが・・・。
素直な子なのはわかるけど。
「あぁ、嬉しいです。誰もいなくて何時も静かだったので」
・・・あぁー!それを言われては!
「お手伝いするわ!」
仄かに寂しい空気を出すヨンに、ウンスは弱かった。今直ぐ大丈夫よ、と抱き締めたくなる程に。
しかし、それは耐えなくてはとウンスは握り拳を作り、
「そういうのは得意なの!任せて!」
元気に言うウンスを見つめ、ヨンは嬉しそうに目を細め嬉しい、と言った――。
・・・全く、怖いな。
しかしビンはそれを冷静に見て、ウンスを見つめるヨンの眼差しの中に強い光を見つけ、
懐かしさと共に本能的な部分は記憶が無くとも変わらないのだなと、
空を見上げやれやれと再びため息を吐いたのだった――。
(15)に続く
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ヨン君まだまだ負けないよ!
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