ジグザグ(23)
アメリカに行く前に拒否してしまったウンスの手紙。それをバッグにしまい笑っていたウンス。
あの後ウンスはどうしたのだろうか?
ヨンは今だにその時の事を聞けずにいた。
きっと自分がいない所で泣いていたのだと思う。
その時に自分に対して好きだという気持ちは消えたと迄言っていたのだ。
ではその後のウンスは・・・
「・・・ヨン先輩がアメリカに行ってから暫くしてオウ医師がウンス先輩に声を掛ける様になったんです」
「・・・へぇ」
更に低くなるヨンの声と空気にキムはあーと声が漏れる。兎に角この空気だけでも消して欲しい。
「ウンス先輩の傍には何時もヨン先輩がいたじゃないですか?まぁ、いなくなってチャンスだと思ったのかも・・・」
「キム、お前は黙って見ていたのか?」
「見てないです!それなりにウンス先輩を守っていました!」
「・・・で?」
じりじりと威圧感が増していく。
此方を睨んで見てくるヨンが、まるでキムに剣を向けている様に感じてしまうのは何故か?
話を促されキムははぁ、と息を吐いた。
寒い。昼間なのに、廊下が異様に寒い。
「・・・それからオウ医師はウンス先輩に暫く付き纏っていたんですが、ある日からピタリと止まりました」
「何故?」
「多分ウンス先輩が断ったのだと思いますよ。
あの性格でしょう?嫌なら嫌ってはっきり言いますから」
「・・・はぁー」
ヨンは手の平を額に付け長い息を吐いた。
知らず知らずのうちに汗をかいていて、身体にも力が入っていたらしい。
安堵し息を吐くと共に可笑しくなっていく。
ウンスらしい素直な性格。
だから自分は熟ウンスが好きなのだと思う。
そんなウンスに好きだと言われている自分が本当に幸せだとも。
「・・・でも、それからオウ医師のウンス先輩への態度が豹変して、粗を探しては注意する様になってしまいました」
「ふん?」
「フラれた腹いせだろうと皆言ってたんですけどね、ウンス先輩は自分のクリニックの夢があったし我慢していたみたいですよ」
「・・・・・」
「毎年病院側が出ている〘国際医療展示会〙知っています?」
「ああ」
ヨンも数年前に一度だけ出た記憶がある。
同じ江南区のイベントという事もあり、総合病院は毎回何らかしらの講習会を中でする様になっていた。
確かウンスも出たとメールで知ったのだ。
「ウンス先輩もイベントに出ましたよ。でも本当は違う人の予定だったらしいのですが、オ博士がウンス先輩に依頼したと。
仲間内ではオウ医師がウンスの名前を出したのではないかと言われてますが・・・」
あの頃オウ医師はオ博士の娘と婚約したばかりだった。理由はわからないが余程気に入られていたらしい。
「でもウンスは無事終わったとメールで言っていた」
「はい、それは。だけど、オウ医師がそれをまた啄いて来て。
・・・彼奴会場にいたのか?って位事細かに話していて、逆に気持ちが悪かったなぁ」
「・・・今も何か?」
「無いと思いますけど?・・・だって、ヨン先輩が帰って来ましたし」
・・・あの男はウンスとは別れたのか?と聞いて来た。何の確認だったのか?
「・・・後はヨン先輩のが、自分よりも実績も上だし顔は良いし・・・まぁ、それも悔しいのかもしれないですね」
ウンスを顔は良いが田舎の女だと、頭が良いだけの女だと軽く考え、その女から振られてしまった高学歴のオウのプライドが傷付いたかもしれない。・・・ただの逆恨みではあるが。
そしてウンスはその後病院を辞めてしまった。
オウ医師は気分が良かった筈だ。
・・・が、今度は自分のクリニックを経営し、更に今はヨンが恋人になっていた。
彼はウンスに対してどう思うだろうか?
考えていたヨンはふと数日前の事を思い出した。
・・・そういえば、腑に落ちない事があったな。
「・・・キム」
「はい?」
「協力しろ」
「は?」
先程からの冷たい空気は薄まったが、ヨンの瞳がまだ冷えている事は変わっていなかった――。
(24)に続く
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長い。途中で切りました泣
・・・ウンスに対して昔からずっと付き纏っている男がもう一人おりますがね・・・WWW´ω`*
同じ事でもウンスの好みだってありますよ。ソコハ...
