人魚と騎士[赤の秘密]⑨ | ー常永久ーシンイ二次創作

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人魚と騎士[赤の秘密]⑨




ウンスの妹の名前はソヨンと言った

「道の途中に馬がいて、どうしてだろう?と思っていたのです」
「俺がそこに置いたままにしてしまったのだ・・・何か畑の物を食べたのか?」
「いいえ、でも近付いても嫌がらなかったので・・・人に慣れているのだと思って」

違うな、おそらくこの娘の顔がウンスに似ていたからだろう
チュホンも迷い大人しかったのだとヨンは思った

「・・・歳は幾つだ?」
「私は齢18になりました」

・・・だとしたらウンスがいた時はまだ幼かったという事になる
ウンスの顔も覚えていないだろう
なのに、自分の姉が守り神に生贄にされた事は知っているのか?

・・・何故だ?


軍の者で知り合いに会いに来たが歩いているうちに
道に迷ったと誤魔化したがソヨンは良ければ村に案内すると言って来た

村に入れる
ヨンは礼を言いソヨンの後に付いて行く事にした

「すまない」
「いいえ、この辺は何もありませんから迷いやすいですよね」

ニッコリと笑う顔はウンスに似ていなくもなく
ヨンの前を草を避け軽やかに歩く姿に
何故かウンスの姿が重なりヨンは小さくため息を吐いた



ウンスは自分の家は貧しいと言っていた

しかし質素ではあるがしっかりと厚みのある藁葺屋根の家は田舎の貧しい家には見えなかった

「父上と母上がおりますので」

屋根や建物の壁をものも言わず見ているヨンにお待ち下さいとソヨンは急いで中に入って行った
直ぐにソヨンは二人を連れて来たがその二人を見てヨンはまた違和感を覚える

「これはこれは・・・軍の方とは!
開京からいらしたとか・・・ささ、中に」


軍の兵士と言うだけでこの様に扱われるとは・・・
この村が余程閉鎖された所なのだと理解し
ヨンは家の中に入って行った



そして感じた違和感が中に入りよくわかったのだった

確かに家具や土間に置かれた道具は古いかもしれないが、貧しいというにはあまりにも着ている着物も家も小綺麗なのだ
ぐるりと目だけで部屋内を見渡すと柱も古くなく
土壁はヒビさえ入っていなかった

「・・・・・」

ウンスがいなくなってから15年だ
家だって新しく建て直したのかもしれない
しかしとヨンは顔をソヨンの父親に向けた

「田舎の村にしては他の家も古びてはいなかったな?」
「そうでございます
それがこの村の素晴らしい習わしなのでございます」
「習わし?」
「何十年に一度村は干ばつ等で凶作に見舞われます
その時にこの地の守り神に女子を捧げるのです」

「・・・・へぇ?女子を?」
ヨンは差し出されたお茶を取ろうとしたが手を止めた

「守り神に?」
「はい、捧げた女子は守り神の力の源になり
そしてまたこの村を守って下さるのです」
「・・・人を食うのか?その守り神が?」

あの蛇がか?
思わず鼻で笑いそうになってしまった

「捧げられた女子の力が守り神に与えている間はこの村が豊かになります
故に今はこの様に私達が暮らせるのです」
「・・・ふん、その娘に感謝だな」

ヨンは母親の横に座っているソヨンを見た

「この娘が言っていた
姉が守り神の使いになったのだと」

すると両親は顔を強ばらせたが直ぐに笑顔になり話し出した

「・・・そうでございます、私の娘が守り神に捧げられたのです」
「それは辛いだろう・・・?」

チラリと二人の顔を伺うと
母親は顔を下に向け黙ってしまい
父親は取り繕う笑顔をヨンに向けるだけだった


実はヨンは家に入り段々と腹が立っていた

違和感もだが、この者達がウンスの事を話す時の動揺と
そしてこの家にはウンスの面影等一つも無い真新しさ
まるでウンスを忘れようとしているかの様だ

なのに守り神を崇拝しているとは・・・
当たり前かの様に女子を捧げると言う

なるほど自分の娘のウンスを二度も離した親だとわかった






⑩に続く
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ここも長いので途中で切っております。
妹はオリキャラを出しました、申し訳ありませんm(._.)m