イトシイイトシイイウココロ⑬ | ー常永久ーシンイ二次創作

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イトシイイトシイイウココロ⑬





暫くして典医寺にチャン侍医が戻って来た。
「・・・医仙?」

だが診療所を見渡し薬員達しかいない事に気が付き、ふと感じる気配に小さくため息を吐くと静かに書架室の扉を開けた。机に突っ伏しているウンスを見つけ扉を閉めたチャン侍医は、その向かいに座って動かない赤色毛の頭を見つめる。

確かにこの部屋の匂いは色々な匂いが混ざり合ってチャン侍医も眉を顰めてしまう。
しかし、草木や甘い花の匂いの中にいるウンスの姿の方が違和感が無く見えてしまうのは自分の中でウンスをまだ天のお人だと線引きしているからだろうか。

「・・・隊士は少し足を挫いたのと脇腹に強く槍を受け打ち身になり腫れていました」
「・・・骨は?」

机に突っ伏してもちゃんと耳を傾け話を聞いているのが、ウンスなのだとチャン侍医の口角が小さく上がった。

「骨に異常はありませんでした。腫れは薬を塗りましたし、腕は上がる様でしたが数日休ませる様に隊長にはお伝えしました」
「・・・そう」

漸くゆっくりとウンスが顔を上げるのを見て、椅子から立ち上がったチャン侍医は引き出しから新しい匂い袋を取り出しウンスに手渡した。

「・・・こんなに必要なのか?ですって・・・」
「隊長も匂いには敏感な方ですから・・・」
「そうじゃなくて・・・、そんなに貴女は弱いのか?て聞いて来た様に聞こえてしまって・・・」

辛い、寂しい、怖い、確かに思っているし、何故私が・・・ともまだ思っている。
だけど、彼を信じて来ている自分もいて、彼が偶に優しく微笑むと安心する自分もいるのだ。

「・・・本当にこういうのは、苦手なのよ・・・
・・・チャン先生に言うのもおかしな事だとはわかっているんだけどね・・・」

・・・この時代に来るだなんて、おかしな状態だと自分でもわかっている。
・・・何かがあるのだと勘違いして、また恥をかくのはもう嫌なの。

だからか、言葉の一言でも深読みして疑ってしまうのだ。
ウンスはまた下を向き先程と同じ体制になってしまった。

・・・なるほど。
医仙もまた異なった考えだったのか。
・・・そして苦手な事なのに、お互いが無視出来なくなっているのでしょうか。

・・・隊長も自分の言葉の真意に気付いてないのでしょうからね。


――だが・・・、


「・・・今お茶をお持ち致しますので、此方でお待ち下さい」

チャン侍医はそう言うと、来た時に彼女が机に置いた匂いの薄くなった小袋を取り自分の懐にしまいチラリと再び顔が見えなくなったウンスの姿を見下ろしたのだった――。






⑭に続く

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※チャン侍医言う気ナシです。
だからヨンのフォローはしません。

意地悪では無いんですよ。
三人三様違うのよ。∠( ˙-˙ )/