先日、テレビを見ていたら「かばた」というものを紹介していました。
「かばた」とは滋賀県高島市針江地区に古くからある水路のことです。
この地区の家庭では、この水路を家の敷地内に引き込み、生活用水として使用しています。170戸あまりある針江地区の実に100戸あまりにこの「かばた」があるのだそうです。
この地区にはあちこちから伏流水が湧きだしており、この水を飲料水や料理の水として、また、洗い物にも使われています。
「かばた」の台所です。
そして、この「かばた」は各家々をつないでいるため、洗い物などは、上流の家が使った水を下流の家が使うことになります。そして、最終的にこの水は琵琶湖に流れていきます。
この地域の人たちは、昔から水をきれいに使う習慣が根付いているため、水を買うという発想がないのだそうです。子供たちも、「ジュースやペットボトルの飲み物より、この水のほうがおいしい。」といっています。
また、洗い物をした水を下流の人がまた洗い物をするために使うため、「洗剤」を使うという習慣がありません。
そして、もっとも下流の方では、子供たちが川遊びをする格好の場所になっているのです。
まさに、「きれいな水をもらったらきれいなままで返す。」というある意味当たり前のことを当たり前にやっている地域なのです。
上流の地域の人は、下流の地域の人のために、きれいなままで排水する。下流地域の人は、上流地域の人を信頼し、その水を使う。そして、最終地点である琵琶湖をきれいにするために、きれいなままで返す。
インタビュアーの方が、この地区のおじさんに聞いていまいた。
「血がつながっている親族でもないのに、どうしてここまで周りのことを考えて生活できるのですか?」
「血のつながりはなくても、『水』でつながっているんだよ。わかるかい?」
便利なものだけが追求される世の中で、このような自然と共存した生活が、しかも決して「田舎」ではない場所で当たり前に行われている。
ある意味、うらやましい生活だと思いますし、私たちが提案する「いい水を頂いたらいい水のまま返す。」というコンセプトの原点がここにあると思いました。
ぜひ一度行ってみたいと思います。
シンプル生活
佐藤 晋一

