六年勤めた会社を辞め、失業中の十和人は、ハローワークの前で奇妙な男に声をかけられた。仕事を依頼したいという。それは、一カ月の間、別の名前を名乗り、見知らぬ女性と少女との仲のいい三人家族を装って、盗聴器と監視カメラのある家に滞在するというものだった。依頼を受けて滞在を始めた三人に、不思議な現象が起こりはじめる…。(「BOOK」データベースより)



今年ダダハマリした西澤さん。
行きつけの図書館では未読の西澤作品が少なくなり、
タイトルに惹かれないなと思いつつ手に取った本です。


これは西澤作品の中でも異色ではないでしょうか。
お得意のSF要素や推理する場面もあるのですが、それらはあくまで脇役で、
メインは作家ご本人もおっしゃっている通り、「大人のおとぎ話」。

これはファンの間でも評価が分かれそうな気はしますが、
わたしは好きだなあ。すごくいい。

監視されている中、擬似家族を演じてみせるという設定だけで
一体なぜこんなことを!?とワクワクさせられるし、
ヒロインの理香が西澤作品には珍しい、良い意味で普通で、
それでいて魅力的な女性なのです。
わたしは女だけど、これで惚れない男性はいないのでは?と思うほど。

和人は和人で、仕事とはいえ、
いかに”妻”と寝室を一緒にしないか画策してみたり、
家族のために料理をふるまったり、またいい男なのだ。
ミステリが多少弱いとか、そんなことはもはやどうでもよくなるくらい、
・・・いや、推理部分はもっと少なくても良いからこの家族をずっと見ていたいくらい、
二人のラブロマンスにも大いにときめきました。


読後も切なくて心地よい不思議な余韻が残り、
気づくと主人公達のその後に思いを馳せてしまいます。

西澤さんのこんな作品、また読みたいなあ。

★★★★☆

にほんブログ村 小説ブログ ミステリー・推理小説へ
にほんブログ村

にほんブログ村 小説ブログへ
にほんブログ村

第1回『このミステリーがすごい!』大賞・大賞金賞受賞作として、「描写力抜群、正統派の魅力」「新人離れしたうまさが光る!」「張り巡らされた伏線がラストで感動へと結実する」「ここ十年の新人賞ベスト1」と絶賛された感涙のベストセラーを待望の文庫化。脳に障害を負った少女とピアニストの道を閉ざされた青年が山奥の診療所で遭遇する不思議な出来事を、最高の筆致で描く癒しと再生のファンタジー。(「BOOK」データベースより)



こちらはどこかの書評ブログで紹介されていて知った本。
はじめましての作家さんです。
何の前知識もなく読み始めたのですが、これが正解。

読み終わってからamazonのレビューを覗きに行ってびっくり!
本作が第一回のこのミス大賞だと知りました。

こ、このミス!?
うーむ、広義の意味でも特に謎はなかったような・・・。

淡々と進み、概ね予想通りのラストを迎えます。
淡々としすぎていて前半はなかなか進まなかったくらい^^;
純粋なファンタジーでした。


やたらおしゃべりな真理子が前半はちょっと苦手でしたが、
読み進めるうちに共感できるようになり、
最後は不覚にもほろりと泣いてしまいました。

ラスト、安易といえる奇跡の連続に
ひねくれ者のわたしは奇跡はひとつだけで充分なのにな~と
思ったりもしましたが、総じてきれいなお話でした。
といっても泣けるとか感動的だとかそういう意味ではなく、
ピアノや作中の景色や文章がとっても美しい。
これは映像(音)でもぜひ観てみたいものです。


この作品とかぶってると言われている某有名作品も読んだことがありますが、
そんなに珍しい設定ではないし、作品の世界観も全然違うように思います。
あえて比べるなら、某有名作の終わり方が苦手だったので、
私はこちらの方が好きかな。

★★★☆☆

にほんブログ村 小説ブログ ミステリー・推理小説へ
にほんブログ村

にほんブログ村 小説ブログへ
にほんブログ村

不倫調査のため、使用人を装い山奥の邸に潜入した私立探偵・鵜飼杜夫。ガールフレンドに誘われ、彼女の友人の山荘を訪れた探偵の弟子・戸村流平。寂れた商店街で起こった女性の刺殺事件の捜査をおこなう刑事たち。無関係に見えた出来事の背後で、交換殺人は密やかに進行していた…。全編にちりばめられたギャグの裏に配された鮮やかな伏線。傑作本格推理。(「BOOK」データベースより)



・・・こ、これは面白い!


交換殺人というモチーフがとても魅力的で
図書館の返却コーナーで手にとった本です。
こちらもはじめましての作家さん。

あらすじにあるとおり、ギャグ満載のミステリ。
これはかなり好き嫌いが分かれそうだな~とは思います。
最近外出時に、予防のためにマスクしてるので
わたしはマスクの下で結構笑わせてもらいました。

キャラも展開も漫画的ではあるのですが、
交換殺人の真相が意外にも(…というと失礼だけれど)とても説得力のあるもので、
ミステリとしても大いに楽しめました。
またこの手のトリックにやられたなー。
ギャグシーンまで伏線が張られてるので、油断ならない感じです(笑)

ただ、関西人としていわせてもらうと、遠山真里子だけはいただけない。
どうして関西人キャラはああいうズケズケした物言いにしてしまんだろう。。
しかも、イマドキの女子大生は
「~かて」だの「ほな」だのは使いませんて(苦笑)


やけに「過去の事件で~」というフレーズが多いと思ったら、
これってシリーズ物だったのですね。
途中まで全然気づかなかった^^;
といっても、シリーズ物は順番に読みたい方なのですが、
これは問題なく入っていけました。

そして、これも後から知ったのだけれど、
あの「謎解きはディナーのあとで」の原作者さんでもあるんですね。
といっても、テレビドラマは全く観ないんですが、
去年本屋さんでコーナーが幅をきかせていたので、気にはなってて。



ちらっとamazonを覗いたところ
思いのほか「謎解き~」の評判が芳しくないようなので、
素直にこちらの”烏賊川市シリーズ”を読み進めていこうかな。

★★★★☆


にほんブログ村 小説ブログ ミステリー・推理小説へ
にほんブログ村

にほんブログ村 小説ブログへ
にほんブログ村