明日はどっちだ PART.1
会社の2Dデザイングループが解体されることになった。
数日前、会社でデザイングループリーダーが召集をかけていた。
呼ばれたのはデザインの2Dメンバー。
十人にも満たないこの少数精鋭部隊が会議室に集められ、みんな席に着いたところで
リーダーがゆっくりと話し始めた。
「2Dデザイナーの皆さんにお伝えしなければならない重要な事があります」
「現在この会社は、いくつかの外注会社と契約して・・・・
(うんたらかんたら)
今後のプロジェクトはCG3ハードで、3D一点に絞って開発を行っていきます。
・・・ですので今後、このデザイングループでの2Dの作業は無くなります。
上からの決定事項でほぼ九割確定です。」
へ・・・・?
・・・・
ちょっと待て
「・・・ので、これから2Dスタッフの皆さんには、外注管理か、もしくは今から3Dソフトを覚えて、
3Dスタッフに転化してもらうことになります。」
おいおい
そりゃーいきなり過ぎやしないか
・・・・・・・・。
2D開発が無くなる理由というのをまとめるとこうだった。
・社内で2D開発を行うと人件費がかかり過ぎる(開発に時間がかかり、期間が長引くため)
後からキャラの顔を修正して欲しいと言われても、対応するために恐ろしく工数が掛かる。
(3Dなら一つのモデルをいじって、後は各レイアウトに差し替えてあげるだけで済むので
すぐに対応できる)
・従業員一人につき一ヶ月大体100万円の人件費がかかるらしい。(給与、電気代、設備費など)
つまり、2Dスタッフが10人として、もし開発期間一ヶ月延長という事になれば、
客先は、一ヶ月の一人分の人件費×10人=1000万円を一ヶ月で払うことになる。
・2D開発は外注のアニメ会社とかを使ったほうが安い。ある2Dメインのプロジェクトの場合
社内だけで制作を行った結果、制作費が計6億円かかったという。
その点、アニメ会社などは500~1000万で一気に引き受けてくれる。
(アニメ会社によっては社内で作るよりクオリティが下がる時もあるが)
・これから開発するものは物量(素材、演出)がさらに増える。絵の解像度も上がってくる。
そうなると当然2D開発の期間が増え、人件費を払う額も倍になってくる。
そうなるといくら作っても利益を得れない状態になり、開発資金を出す側も対応しきれなくなる。
これらを総合的に踏まえた結果、現在この会社が受け持つ5ラインのプロジェクトは、社内での開発は
全て3D作業で1ラインに絞るという形になり、残り4ラインは全部外注に回し
2D作業も外注に回すという事になった。
そのため、社内の2Dデザインスタッフは解体され、外注管理の仕事に移るか
今から3Dツールを覚えて3Dスタッフの一員になるか
二者択一を迫られたのだ。
「急な話なので、一週間後改めて一人一人に面談しますので、その時に今後どちらかに進むか
答えを聞きます。
皆さんそれまでゆっくり考えて下さい。申し訳ないですが・・・」
無言のままぼーっと机の上を見ているみんなに、リーダーが不憫そうに言った。
そりゃショックに決まってる。
正直、どっちにも進みたくない。
今まで2Dでやってきて、これからも精進しようと志していたところだったのに。
何より2Dが好きだったのに。
今日はちょっと風邪気味なので、ここまで。
PART2につづく。
さぁて、仕事の節目がやってきた
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