一つの夢 | DAILY OF DIRTY BUG

一つの夢



僕はある3ピースバンドでギターボーカルをやってました。



三年前に結成したそのバンドの名前は「CURTAIN CALL」


三人で色々バンド名の案を出した結果、僕の発案したこの名前に決まりました。



毎週日曜はスタジオ練習の日で、ハイスタや10-FEETのコピーから始まり、
とにかく楽しむ事を大前提に練習に励んでいました。

轟音をかき鳴らし、マイクに向かって全力で叫び、三人の息が合った瞬間が本当に気持ちいいのです。

演奏中みんな思わず笑顔になってしまうくらいに。

糞みたいな仕事の日々を忘れられる瞬間でもありました。


そして金沢AZで何度かライヴして、友達呼んで、下手くそなりに無我夢中になって楽しんでやってました。


バンドを始めてから音楽が大好きになったし、仕事の人間関係で押し潰されそうになった時
何度も救われたりしました。


オリジナル曲も作り始め、デサイナーの友達にバンドのHPを作って貰ったりと
バンド活動事態を凄く楽しんでました。

live








・・・今思えば、心の奧底にある「ひっかかり」を、ひたすら楽しむ事でうやむやにしようとしていたにも思えます。







2007年8月26日、僕はバンドを脱退しました。



三人の音楽性の違い、考え方の違い、バンドに対する姿勢、結成した当初から結構違っていたのですが
最近になって、その「温度差」みたいなものを重く感じるようになったのです。

特にオリジナル曲を制作する作業でそれは大きな壁になりつつありました。

自分の「こうしたいんだ」「もっと音に対して貪欲になってほしいんだ」という思いが伝わらず
次第にバンドで歌うのが辛くなってきて、二人に対して信頼が持てず、もう昔みたいな気持ちで
バンドをやるのが無理に思えてきました。

こんな気持ちで音楽もバンドもやりたくない、さんざん悩みに悩んだ末、脱退するという決断に至りました。



28日 日曜日、「話し合い」という名目でファミレスにメンバーを集め、そこで脱退の話を切り出しました。

最初は二人は驚いていたものの、僕の言葉を深々に受け止めてくれて、話し合いの末
お互いに納得という形で、僕の脱退を静かに了承してくれました。


「ただ、このバンドはSIMPLE HEADありきのバンドやと俺は思っとるし、俺達が今後CURTAIN CALLと
名乗るつもりはない。

CURTAIN CALLは、ここで解散ということにしよう。」




ドラムの温が言ってくれた言葉。




人間的には、本当にいい奴らだった。

こいつらから学んだ事も沢山あって、今でも僕の一部になってる。


出会えてよかった。







CURTAIN CALLの三年に及んだバンド活動が、終わった。




「ありがとう。楽しかったよ。」




そう言って、僕は先に席を立った。








・・・

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・・・・・






二人と別れた後、僕は一人でいきつけの楽器屋に行き、新しいギターを購入しました。

正式にバンドを辞めた時、今まで使っていたレスポールは、バンドの思い出と共にケースに入れて
押入れにしまっておこうと決めていたのです。


これからは新しいギターと共に、新しいスタートを切ろうと思います。

また、誰かとバンドを組むことになるかはわからないけど、これからも音楽好きなままでいるはず。

それはきっと変わらない。







いつだったか、三人で掲げた ある一つの夢。





-- 俺達はまず、金沢AZを満員に出来るくらいのバンドになろう --





その夢が、終わりを告げた日。



悲しいかな、その終止符を打ったのが僕。



悩んだ末の決断、後悔はしていない。



少し、寂しいだけだ。







その夜、ある「言葉」を思い出して、ONE PIECE 32巻を読み返す。





























「なぁおめぇら… 次ァどんなロマンを追いかけようか」

(モンブラン・クリケット)










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