「言葉の持つチカラ」
言葉をメロディーに乗せて、誰かに届ける。想いを誰かに、素直に伝える。
私は、その喜びを、5年前。大学4年の冬に、味わう事になりました。
大学4年の12月初旬、チーム内の箱根メンバー選考レースに破れ、私は高校1年生の途中から始めた陸上競技とお別れすることが決定されました。全身全霊を尽くした、7年間の陸上人生に終止符を打つ。。言葉だけ聞くと、寂しさが漂いますが、ラオウ的に言わしてもらうと、
「我が陸上人生に、一片の悔い無し」
そう叫ぶことができました。
自分の全身全霊を費やしていたものが、急に無くなる事は、いきなり生きがいを失う事になります。
自分の中に膨大なエネルギーがあり、それを陸上に費やしていた私は、新たなエネルギーのぶつけ場として、引退した次の日、1万円前後の入門用、アコースティックギターを買いに行きました。
「購入しました、レスポールスペシャル。ダブルカッタウェイですが。」
私の大学4年間は、ずっと寮生活で、1~3年時が二人部屋でしたが、4年時だけ1人部屋が与えられました。
4年時の隣人の石川君とは、種目も違いましたが、波長が合い、最後の一年間は、色んな事に、語り明かしまし
たね。陸上観、友情観、恋愛観、家族観、そして、将来の夢などね。
石川君に、漫画の『BECK』を読ましてもらってから、ギターを弾くことに憧れていました。
テレキャスターを持って、『OUT OF THE HOLE』で人を励ますコユキにね。
石川君は、RED HOT CHILI PEPPERが好きで、それがモデルになった、DYING BLEEDが出てくる「BECK」がすごく好きだったのですよ。関西風ボイスパーカッションができた私と、レッチリのフリーのベース音のボイスパーカッションなら、誰にも負けないと豪語していた石川君は、二人でよく、ボイパのセッションをしたものです。周りの部員もビックリの、合わせっぷりでしたよ。
そんな、ギター好き、BECK好き、音楽好きの石川君に同行してもらい、お茶の水あたりの楽器店にギターを買いにいきました。安かったけれども、憧れていたギターを手にし、ドキドキしながら、寮に帰り、ギターの基礎を教えてもらいましたが、
それまで、全くギターを触った事の無かった私は、コードの押さえ方の難しさにビックリしました。なんやねん、『F』ってね。
フィンガーテクには自信のあった私も、指がプルプル、痙攣しましたね、初日は…。
それでも、やはり、人は興味があることには、壁も乗り越えようと、努力するものです。
2週間経った頃には、基礎的なコードを、コードチェンジ出来る上に、色んなバッキングパターンができるようになっていました。私がギターを始めたことを聞きつけた後輩らが、何か弾いて下さいよ~。って言ってきたので、簡単なコードで、
と、怪我・故障を繰り返していた後輩に、即興のメロディーをプレゼントすると、涙ぐんで、
「タケウチさん、ありがとうございます!勇気が出ました。」って言ってくれ、「ギターや唄う事は、なんて、楽しいんだ~」って思いましたね(^^)同じ事を言うのにも、メロディーに乗せるだけで、こんなに人に伝わるものなんかあって思いましたよ。
私が四年時のチームは、箱根駅伝直前に、デニスロッドマンみたいな、BADなカリスマ性があった、キャプテンである長山君がちょっとした事件を引き起こし、チーム内の雰囲気が最悪でした。10人で中継しないといけないのに、
「これで大丈夫なんか?」って思えるくらい、まとまる気配が無かったですね。
しかも、私は、キャプテンであった、長山君と、犬猿の仲だったのですよ。すれ違っても、言葉を交わさないくらいのね。
でも、人間、死という終焉が近づくと、心境の変化が起こると言いますが、お互い、大学における陸上人生も終焉に近づいて、何か思うことがあったのか、すれ違いざまに、長山君から私に話しかけてきれくれました。
「タケウチ、ギター始めたらしいじゃん!箱根駅伝の最終ミーティングで、みんなの前で披露してくれよ」
そう、私とは対極の性格で、私とは対極の集まりの中心にいたカレのほうから、しゃべりかけてきてくれたことがうれしくて、私も、「よっしゃ、まかせろ!!」と、承諾いたしました。
最終ミーディングは確か、寮の食堂で、12月30日くらいにあるミーティングで、それが終われば、1~10区の各区間に散らばっていきますので、選手・スタッフ、総勢50名以上の長距離部員が、皆で顔を合わせる最後の夜になります。
そんな最後の夜さえも、チームとしては、最悪のムードを漂わせていました。こんなんで、1月2・3日の箱根で戦えるのか?ってくらいに。。。
箱根駅伝の1~10区の選手が、最前列に、区間順に、横一列に並び、その後ろに、それ以外の長距離部員が並び、そんな体制でミーティングが始まるのですが、そのミーティングが行なわれる前に、マネージャーの、
「ミーティングを始める前に、タケウチがギターを披露してくれるみたいです。」
という声と共に、私は、心臓がバクバクになりながらも、前に出されてしまいました。
もはや、場から逃げ出す事のできない周りのノリの中、緊張しながらも、腹をくくり、1~10区の選手へ、簡単なコードで、
10人分の即興のメロディーを唄いました。大勢の前で唄う事は初めてだったので、頭が真っ白になりましたが、なんとか唄いきりました。
即興で、唄を作り、内容が1~10区の選手への個人的な思い出や、応援歌だったので、大きな笑い声に包まれました。
それまでのチーム内に漂っていた、陰の悪い雰囲気がどこへやら。一気に、陽の雰囲気が漂いました。
ノリで唄ったそれまでとは違い、最後に唄った特別の一曲は気合を込めて唄ったところ、周りが静寂に包まれ、自分の想いが相手に伝わっていく瞬間を、確かに実感しました。まとまりの無かったチームが、まとまろうとしていく瞬間を、空気感から感じ取ってしまいました。
唄いきったあと、そして、ミーティングが終わったあと、皆が私のところへ駆け寄ってきてくれて、
「タケウチさん、すごかったですよ。チームの雰囲気を一気に変えてくれましたね。」
そう言って、沢山の方々から、賛美を頂きました。
それまで、入賞も心配され、最悪だったチームは、箱根駅伝で、総合4位に入り、沢山の方々から、
「お前が、あそこで、唄って、雰囲気を変えてくれたからの4位。」と言われ、卒業した後も、後輩から、私のミーティング時のライブは、「伝説の第1回フジロック・嵐のライブ」の様に、語り継がれていると聞きます。
少なくとも、私は、あの場で、『DEVIL`S WAY』を唄う、コユキになれていたような気がします。
私は、そんな過去がありましたので、言葉が持つ力。メロディーが持つ力。そして、思った事を素直に相手に伝える事の重要性を、肌で実感したわけです。箱根駅伝のメンバーから漏れてしまった、たった一人のちっぽけな私が、一つのギターと、自分自身の言葉とメロディーで、、群集を正しい方に、導いてしまったわけです。
これからも、ちっぽけな私が、ブログという発信源を介して、言葉が持つ力で、素直な感情の持つ力で、
一人でも多くの人を、励ましていけたらいいな。その結果、服が売れれば、なお、OKですね(^^)
Simple is the BEST ! タケウチ


