年末熊本 | 菅野貴夫の野球電鉄

菅野貴夫の野球電鉄

俳優・菅野貴夫のブログです。
「どこ鉄」とは、友人から送られてきた鉄道写真を、それがどこで撮られたものかを推理・検索・悪戦苦闘しながら解いていくシリーズです。

大変ご無沙汰しております。

もうすっかり年末ですね。

10月のロデオの公演から、怒涛の11月ギリシャ悲劇「グリークス」を経て、ずっとブログを放置していたわけですが、そのあたりの振り返りはまた別の記事にするとして(年内にできるかな…)、
僕は熊本に暮らしはじめて、1か月になるところです。


熊本で活動されている「劇団きらら」さんに出演するためです。

まずはもうすぐ、来年1月10日からの熊本公演に向けて日々稽古をしています。
(2月に福岡公演、そして4月には東京公演もあります!)


それと同時に「1ヶ月半もいるんだから何か働かなきゃ!」と張り切ってみた結果、辛子蓮根屋さんと、市場で苺の仕分けのバイトを週5〜6でガッツリやることにしてしまいました。

(辛子蓮根は、ご存知ない方もいるかも知れませんが、熊本の由緒ある郷土食です。おつまみに最高!)

辛子蓮根は年末年始に向けて1年のなかで一番の増産体制の時期、そして途中に1週間だけ入った苺のバイトは、クリスマス需要に向けての時期。

だからこそ人手を募集しているわけで。

目まぐるしい中でも、皆さんとの触れ合いというか、いろんな会話だけでもすごく新鮮で楽しいです。

稽古場とはまた違う、より熊本の人々の中にいる感じ。

苺の派遣バイトでは、お母様方の中で男性は僕ひとりでしたが、最終日に皆さんで一緒に記念写真を撮ってしまうほど楽しい現場でした。コンテナに僕の身長くらい積み込むので、持ち場もあってよかった。
休憩時間のお母様たちのお話は、全て胸に染み入るものでした。

派遣先の社員さんで優しく仕事を教えて下さった甲斐さん。私の手には、頂いたパイナップル。

毎日のように稽古場に果物を差し入れしていました。
俺はたしか、東京から来た客演の俳優のはずだが…


一方で辛子蓮根のほうは調理場内で、完全な男現場。(女性たちは店頭接客や完成品の管理が持ち場のよう)
意外にも半分以上が僕より若いひとたちで、こちらも男性陣ならではの空気で、面白いです。


そして何と言っても言葉の違い。
分からなくて焦ったりもします。

辛子蓮根の働きはじめのほうで仕事が分からなかった時に、
「これはね、こうぎゃんつって、でこれをぎゃんして、ぎゃんして、ね。」と言われて、仕事も言葉も分からない時にはどうしたらいいんだろうと思いました。

それも今じゃ笑い話の過去です。

こちらに来る前は、生活していけるか不安やソワソワする気持ちが大きかったのですが、何とかすっかり楽しくやっております。

きららがご用意してくださった下宿先も、管理人さんもすごく優しくて、とても居心地が良いです。食事も美味しいし。ありがたや。

肝心の稽古のほうも、楽しく着々とてんやわんやで進んでおります。


何より、共演者の皆さんが可愛い。
そしてやはり池田美樹さんの本。少ない言葉のやりとりなのに、読んだ時にグワッと風景や人物が拡がる。


お楽しみにしていてくださいませ。

まずは大晦日まで辛子蓮根のバイトがんばります。
稽古も普通に昼夜でがんばります。今はそれが全て。


毎年、年末年始はゆったりと東京や長野で家族や友人と過ごしていたけれど、たまにはこういうのも最高。

去年の今頃は、熊本でこんな風にやってるとは思いもしなかったです。

まだ悪あがきで更新するかも知れませんが、皆様、よいお年を。