Simple World -64ページ目

Simple World

ミ★(*^-゚)v Thank you for coming!★彡

 何があったかなんて、憶えているはずないのに。





 記憶なんてないはず。
 きっとあったなら恥ずかしくて憤死してしまう。
 それなのになぜ、ふとした瞬間にアノ時の情景が頭に浮かぶのか。

 少しかさついている指先。
 時折触れて身体を擽る髪。
 耳元で低く囁かれる睦言。
 顰められた顔に浮かぶ汗。
 深く、奪うような口付け。

 意識が飛んでしまうほどの、快楽。

「サイアク」

 断片的に思い出される記憶は、小さな小さな熱を生む。
 日を重ねるごとに熱は増して、苛立ちが募るばかり。

「ゼッタイニチガウ」

 そんなことあるはず、ない。
 自らそれを望むなんて、ありえない。
 否定したいはずなのに、それでもいいかなんて思わせるのは。



あの日から浮かぶのはいつも決まって



 熱を孕んだ眼をして私を見る、アノ人。