微妙な19のお題《蓮×キョ》 | Simple World

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 指先が触れるまで、あと1cm。



 意思を持って伸びてきた指はピタリと止まる。
 あと少しで触れそうな距離で。

「触れてもいい?」

 嫌だと言っても触れるくせに、そんなことを聞く。
 殊更優しい目と声で聞くなんて、ずるいと思う。

 でも、そんなずるい人が好きなんだ、私は。

「…嫌だって言ったら」
「嫌じゃないよね」
「っ!」

 顔を近づけ、耳元で囁かれる。
 指先は、頬を滑り唇へ。
 やんわりと押し付けられた指は冷たくて気持ちいい。

「キョーコ」

 目と目があった。
 指の代わりに触れたのは、敦賀さんの唇。

 何度も何度も優しく触れる。

 角度を変えて、ついばむような口付けを私は受け入れた。
 腕を敦賀さんの首に回して、もっとと強請る。

 与えられたのは、深い口付け。

 こんなにも近いのに。
 触れて、キスして、身体を重ねて。
 確実に近づいているはずなのに。

 その度に、何かが遠くへと。

 確かに敦賀さんからみれば、子供かもしれない。
 でも、私はそこまで馬鹿じゃない。

「敦賀さん」

 口付けの合間に、名前を呼んで。
 首に回していた腕を片方だけはずして、胸へと滑らせた。
 心臓の上に手を置いて、目で問う。



手を伸ばせば、すぐにあなたに届く距離で



 どうすればアナタの心に近づけますか?