相続税って、ずっとなんとなく自分には関係ない話だと思っていましたが、50を過ぎた頃から周りでもちらほら親からの相続の話などを聞くようになりました。
相続税対策も、ちゃんと考えて準備している人が多く、それに比べてあまりにも知識がなさすぎるので、ちょっと調べてみました。
相続税とは
亡くなった人の財産を受け継いだ人にかかる税金で、相続人が取得した財産に課税されます。
ただし、相続税には下記の基礎控除があって、この基礎控除を超える金額にかかります。
基礎控除の計算式
基礎控除 = 3,000万円 + (法定相続人の数 × 600万円)
例えば、夫が亡くなった場合の法定相続人が妻と子供3人の場合、基礎控除額は
3,000万円 + 4 × 600万円 = 5,400万円
になります。
これにより、夫の遺した財産が5,400万円以内であれば、相続税は発生しないということになります。
相続税の計算方法
相続が発生する場合の例を見てみます。
上記の例で、夫の遺した財産が1億2千万円だった場合、基礎控除5,400万円を引いた課税財産は、6,600万円になります。
これを、法定相続分に応じて各人の課税対象分の取得金額を計算すると、
妻:6,600万円 × 1/2 = 3,300万円
子1:6,600万円 × 1/6 = 1,100万円
子3:6,600万円 × 1/6 = 1,100万円
子2:6,600万円 × 1/6 = 1,100万円
となります。
相続税の税率表より、課税対象の取得金額が5,000万円以下の場合は、税率20%、控除額200万円、
課税対象の取得金額が3,000万円以下の場合は、税率15%、控除額50万円なので、これに基づいて計算します。
妻:3,300万円 × 20% - 200万円 = 460万円
子1:1,100万円 × 15% - 50万円 = 115万円
子2:1,100万円 × 15% - 50万円 = 115万円
子3:1,100万円 × 15% - 50万円 = 115万円
この金額が、各人の払うべき相続税額になります。
けっこう大きい金額ですね。
妻の例でいうと、6,000万円の相続に対して460万円の相続税を支払う、ということになります。
相続税軽減のための贈与税の使い方
相続税を安く抑えるために、贈与税を使う方法があります。
贈与税には、暦年課税と相続時精算課税の2つの制度があって、どのタイミングで財産を渡したいかによって使い分けられます。
ただし、一度相続時精算課税制度を選択すると、同じ相手からの贈与は暦年課税に戻すこができません。
暦年課税
暦年課税は、1年間に受け取った財産を合計して税額を算出し、受け取った人が申告・納税する制度です。
暦年課税には110万円の基礎控除があり、贈与額がこの金額以下なら贈与税はかからず、申告も不要です。
これを利用して、生前贈与として長い時間をかけて少しずつ財産を渡すことも可能です。
ただし、相続開始前の3年間に贈与された財産については、相続財産に加算されます。
相続時精算課税
相続時精算課税は、60歳以上の父母・祖父母が18歳以上の子や孫に贈与する場合、累積で2,500万円までは非課税となり、殻を超えた分に対して20%の贈与税がかかる制度です。
ただし、この制度で贈与された金額は、相続が発生した時に相続財産と合算して相続税として精算されるため、節税になるわけではないようです。
親の財産を早いうちに渡したい場合などに活用できる制度です。
相続税・贈与税の税法改正
この制度は2023年に改正されています。
暦年贈与は、生前贈与で贈与された財産が相続財産に加算される期間が、3年間から7年間に変更されました。
ただし、延長した4年間に贈与された財産については、100万円までは加算対象外です。
これについては、改悪といえますね、、。
一方で相続時精算課税は、年110万円の基礎控除が新設されました。また、土地や家屋が被災した場合はその評価額を見直すことも盛り込まれています。
こちらについては、改善されていると言えるでしょう。
元々、節税効果が低くてあまり使う人のいなかった相続時精算課税制度を、拡張したいという意図でしょうか。。
どっちがお得?
暦年課税も相続時精算課税も、同じ110万円が基礎控除されるのであれば、相続開始前の7年前からの贈与分を相続財産に加算されることのない、相続時精算課税の方がお得な気がします。
こちらを選べば、毎年110万円の贈与を続けても、生前贈与分に関しては贈与税も相続税もかからない、ということになります。
相続時精算課税制度を利用するには、贈与税の申告書の提出期間中に、「相続時精算課税選択届出書」を税務署に提出する必要があります、
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