【3分で学ぶ「シンプル・マネジメント」vol.124 latter part】 | 元セミナー講師 坂井義尚の           「3分で学ぶ『シンプル・マネジメント』」

元セミナー講師 坂井義尚の           「3分で学ぶ『シンプル・マネジメント』」

経営コンサルタントとして、20年にわたって、お手伝いして参りました。その結論は、「経営をいかにシンプルに捕らえるか?」シンプルに捕らえてこそ、初めて実践につながる・・・3分で学ぶ「シンプル・マネジメント」をお届け致します。

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 セミナー講師 坂井 義尚のコラム:

 「戦略立案の6つの視点 5)レッド・オーシャン戦略
            ~その2~ 常識の逆とは?」


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皆様、仲夏の候、いかがお過ごし手いらっしゃいますでしょうか?
今回、更新が遅れましたことを心よりお詫び申し上げます。


「戦略立案の6つの視点」にて

1)商品・市場マトリクス
2)傾向と推移
3)ターゲットと消費特性
4)最悪のシナリオ
5)ブルー・オーシャン戦略、レッド・オーシャン戦略
6)SWOT分析 

前回の「戦略立案の6つの視点 5)レッド・オーシャン戦略
~その1~ 非常識の発想」というテーマにて、
事例として、コンビニエンスストアの非常識への挑戦、つまり
在庫という概念を無くすという非常識の発想が今の常識に
なっているという話をいたしました。

そして、その発想を導き出すためには、常識を考えてひっくり返す。
常識の逆を考えるというのが今回のテーマです。

まず、皆さんの会社の常識を目に見えるようにして見ましょう。
縦軸は5W1Hです。
横軸に仕事の流れをステップにして、
仕事・業務のスタートから終わりまで記入します。

例えば、実際の例で、ある美容室の仕事のステップを考えると

ステップ1 予約が入る
ステップ2 来店する
ステップ3 頭を洗う
ステップ4 カット・パーマをする
  ・
  ・
  ・
ステップ11 お勘定
ステップ12 お見送り

と、仕事のフローが出てくると思います。

   |ステップ1 |ステップ2 |ステップ3 |ステップ4・・・
   |予約が入る|来店する  |頭を洗う   |カット・パーマをする・・・
------------------------------------------------------------
いつ |       |       |       |
-------------------------------------------------------------
どこで|       |       |       |
-------------------------------------------------------------
誰が |       |       |       |
-------------------------------------------------------------
なぜ |       |       |       |
-------------------------------------------------------------
何を |       |       |       |
-------------------------------------------------------------
・・・  |       |       |       |
-------------------------------------------------------------

上記のような表を作成して、それぞれ業務に携わる皆さんで
それぞれのマス目を埋める作業をして下さい。
つまり予約が入るのはいつで、どこで、誰が…という具合です。
当たり前と思って馬鹿にしないことがコツです(笑)

常識をひっくり返すわけですから、
今の作業で出てくることは常識、当たり前、
言わなくてもわかっていることだらけです。
しかし、その作業が重要です。

では、その上でどうやって“非”常識を考えるのか?

1)マス目を埋めた内容がほとんど全員同じマス→逆に考えてみる

例えば、美容室であれば「どこで」の項目がほとんど全員当たり前
ですが、皆「店」になるわけです。
そこで、「どこで」を「店」ではないところという発想で考える
ことはできいないでしょうか?
例えばそのような話をしているなかで、
「あっ、そういえばこの前私のお客様のおばあちゃんが、
 『店に来るのは億劫ではないけれども、近いし雨とかの時は
  ちょこっと家に来てくれたりしたらうれしいんだけどね~。』
  と言ってたなぁ。」
なんて意見が出てきたりします。

通常であれば、そんなことは無理と思うかもしれません。しかし、
そこを逆転の発想で高齢者のための出張カットは考えられないか
検討したとしたらどうでしょう?
実際にこの美容室では近隣の高齢者の女性に限定して
出張カットを始めました。
今では範囲を1kmまで広げて、出張カットが売上構成の40%、
出張カットを始めて売り上げが1.6倍になったのです。
そんなことはたまたまだろうと思うかもしれません。
しかし、こういうアイディアを出すきっかけが無い以上、
“非”常識の発想は出てきません。


2)マス目を埋めた内容がバラバラ→同じにするように考えてみる

例えば、「予約」のマスは、きっと答えの内容がその人によって
バラバラになると思います。
お客様の予約は、家からかもしれないし外出先からかもしれません。
どこからかもわからないという回答もあるかもしれません。
しかし、バラバラだった場合でも、
例えば、歯医者は完治するまで、次の予約を入れて帰ります。
ではそれを美容室で考えたらどうでしょうか?
退店時に次の予約を取ってみようと、例えば仮予約を入れておく。
その予定の前の週に確認の電話を入れる。
すると約8割の方がその予約通りに来られることがわかりました。
そうすれば、そうですよね、売上が読めますよね。

ですので、まず仕事のフローと5W1Hの表を真摯に埋めてみて
ください。埋めれば、まず常識が作れるのです。
今のビジネスの状態を理解しないと、非常識を考えることが
できません。ちょっとでも面白そうだという思うところ
どっからでも良いので考えてみて下さい。

大事なことは計画を作ることではなく、
それを実現するためにどういう風に改善していくかです。

皆さんの実践に期待致します。

次回、「戦略立案の6つの視点 6)SWOT分析~その1~
強みと弱みを知る」をお届けします。

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